［J１第22節］名古屋１－０新潟／８月５日／国立競技場

　14分の森下龍矢のゴールで名古屋が新潟を１－０で下した国立でのゲーム、オランダのユトレヒトからレンタルバックした前田直輝とともに、新ストライカーがデビューを飾った。今夏に札幌から名古屋に期限付きで加入した中島大嘉である。

　大阪府出身で国見高を卒業して2021年に札幌入りした188㌢・88㌔の21歳は、驚異的な跳躍力、パワフルなプレー、ストライドの広いダッシュ、そして赤髪と、まだ粗削りな部分を残しつつ、特大のポテンシャルを備える姿は、大人気漫画「スラムダンク」の主人公、桜木花道を彷彿とさせる雰囲気がある。

　コミュニケーション力も抜群で一度話し出せば、次から次へとエピソードが飛び出し、名古屋の練習場でも即座に注目の的となっている。

　新潟戦、中島が呼ばれたのは61分。前田とともに、疲弊した２トップ（キャスパーユンカーと永井謙佑）に代わる形で、送り出された。役割は先発ふたり同様に前からの守備を行ないつつ、試合を決めるゴールを奪うことである。
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　73分には後方からのフィードを、打点の高いヘッドで相手に競り勝ち裏へ。ゴールにはつながらなかったが、前田の決定機を演出した。

　一方で周囲とのコンビネーション向上はここからなのだろう。らしいプレーを見せる機会は限られたが、本人の言葉は実に頼もしい。

「（今日も）高さや強さを生かし、チャンスを一本、作ることはできました。理不尽なゴールをもらたすポテンシャルは持っているかなと思っています。それをもっと磨いていって、チャンスではないところからチームにゴールをもたらせられる選手になりたいです。このチームの今までなかったストロングになり得るかなと感じています」

　彼の能力をフルに引き出せれば、逆転での13年ぶりのJ1制覇へ、大きな戦力になるはず。チームとしてどう生かすのか、大いに楽しみである。


取材・文●本田健介（サッカーダイジェスト編集部）


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