「こんなに感覚が合う人はいない!」屈強なノルウェーを手玉に取った、なでしこJのダブルボランチ、長谷川唯と長野風花の阿吽の呼吸はなぜ生まれたのか?

2023年08月06日 渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)

2014年U-17W杯の優勝当時からお互いを知る長谷川と長野

屈強なノルウェーを相手に阿吽の呼吸で中盤を支配した長谷川(左)と長野(右)。(C)Getty Images

【女子ワールドカップ・ラウンド16】日本 3-1 ノルウェー/8月5日/ウェリントン・リージョナルスタジアム

 なでしこジャパンは8月5日、女子ワールドカップのラウンド16でノルウェーと対戦し、3-1で勝利を収めた。

 平均身長170.2センチと屈強なノルウェーを相手に輝きを放ったのが、日本のダブルボランチ、長谷川唯(157センチ)と長野風花(160センチ)だ。

 20分の失点シーンこそ、長野の頭上を超えるハイクロスをヘディングで押し込まれたが、地上戦では球際でも競り負けることはなかった。

 特に秀逸だったのは、ふたりのコンビネーションだ。1-1の同点で迎えたハーフタイムで、池田太監督から「ダブルボランチの片方はもっと攻撃に加わること」「サイドを使うこと」と指示されると、後半はすぐさま実行に移す。

 長谷川がより攻撃的に振る舞い、長野が守備面をカバーするように、ボランチふたりの立ち位置が横並びから縦関係に。長野が前半よりもビルドアップに関わる回数と、5バック気味になっていた両ワイドを押し上げる場面が増えた。

 左ウイングバックの遠藤純を起点に、最後は右ウイングバックの清水梨紗が決めた50分の勝ち越し弾のシーンは、ペナルティエリア内に進入した長谷川も関わるなど、まさに狙いどおりの形だった。

「ノルウェーが全然ボールに来なかったので、しっかり自分たちが動いて、ボールをつないで、自分たちの良さを出していけば、必ずああいったゴールにつながると思った」(長野)

「(DFの)間のスペースが空いてくるなと。(宮澤)ひなたがターンしたら相手のセンターバックが食いついてくると思っていたので、そのタイミングで裏へ飛び出していくのを意識はしていた」(長谷川)
 
 一方で、好連係を見せたふたりは「特別話すことはない」と口を揃える。
 
「(長野)風花とは、特に話さない。話しても結局、確認だけになっちゃう。もちろん話さなければいけないことがあれば、話しますが。17歳の時から一緒にやって、こんなに感覚が合う人はいないなという感じがあって。

 特にメニーナじゃない選手で、こんなに感覚が合う人は少ない。それが今一緒にできているのは、自分にとってもプラスだし、前にも後ろにも行けるのは風花がいるから。自分の長所である前でプレーできるのを助けてくれている」(長谷川)

「ずっとやってきたメンバーですし、各々がやりたいことが分かっている。自分たちの距離で良さを出すだけ。もっともっと崩しのアイデアや誰がフリーなのか見つけられれば、もっとゴールに迫るシーンも作れたはず。そこはもう一度修正しながら、次に向けて良い準備をしたいと思います」(長野)

 長谷川(26歳)と長野(24歳)は2歳差があるものの、ふたりは2014年のU-17女子ワールドカップの優勝メンバー。世代別代表で世界一を知るダブルボランチが、次はなでしこジャパンを高みへと導けるか。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト特派)

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