アーセナル対モナコ、英国人記者が感じた南野拓実のイングランド時代からの変化【現地発】

2023年08月05日 スティーブ・マッケンジー

冨安のリーグ戦開幕スタメンは厳しいだろう

アーセナル戦に後半から途中出場した南野。(C)Getty Images

 8月2日、エミレーツカップのアーセナル対モナコを観に行ってきた。これはエキシビジョンマッチのようなもので、いつもより比較的チケットは取りやすい。シーズン中ならアーセナル戦の席を確保するのは至難の業だ。
【動画】PKストップが苦手なアーセナル守護神にセーブされる南野
 イングランドでは学校が休みに入ったこともあり、観客の年齢層はかなり低かった。子どもたちにとっては初めてのアーセナルの試合かもしれないので、グッズ売り場にも足を運ぶだろう。スタジアムに入る時には案の定、クラブショップの前に大行列ができていた。アーセナルのマーケティング部門にとっては素晴らしい機会だ。

 この一戦は日本のサッカーファンにとっては注目の試合になっただろう。アーセナルに所属する冨安健洋と、モナコでプレーする南野拓実の日本人対決が見られるからだ。
 
 試合は、31分にモナコがユースフ・フォファナのヘディングシュートで先制したが、43分にCKからアーセナルのエディー・ヌケティアが決めて同点に追いついた。そしてそのままスコアは動かず、PK戦の末に5-4でアーセナルが勝利した。

 アーセナルでは冨安が右サイドバックで先発出場。冨安は新しいヘアスタイルになっていて、以前より見分けがつきにくくなっていた(笑)。怪我から復帰し、まずまずのパフォーマンスではあったけど、今日の出来を見るかぎりでは、8月12日に行なわれるプレミアリーグ開幕戦のノッティンガム・フォレスト戦でスタメンに名を連ねるのは厳しいのではないだろうか。

 一方、モナコの南野を見るのは、リバプールに所属していた時以来だ。彼は後半から登場した。リバプール時代と同じように、ボールを持つとスムーズな動きを見せていた。ボールに絡む回数は増え、"消える"時間は少なかった。しかし唯一違っていたのは、イングランドにいた時のようなゴールに迫り、ワクワクするような場面はなかった。

 PK戦では唯一失敗したキッカーとなってしまったが、プレー自体は悪くなかった。今季は彼に以前のような積極的なプレーを期待したい。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。

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