【金田喜稔がタイ戦を斬る!】あえて大胆策に出た手倉森采配は見事!!  チームが“同じ絵”を描ければ、出場権獲得が近づくはずだ

2016年01月17日 サッカーダイジェスト編集部

北朝鮮戦から先発を6人も入れ替え、虚を突かれたが…。

4得点中3ゴールがFWの得点に。後半途中から出場した久保(11番)は、PKを含む2ゴールを奪取した。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 タイに4-0で快勝し、まずは第一関門のグループリーグ突破を決めたことを素直に評価したい。この試合、北朝鮮戦から先発を6人も入れ替えて、誰もが虚を突かれただろう。第1戦と同じメンバーで臨めば、コンビネーションをより深められたとも思うけれど、手倉森監督はあえて大胆な策を選択した。
 
 ただ、結果的に4点を奪い、なおかつ2試合連続の完封勝ち。2点目をアシストした原川にしろ、最終ラインを牽引した奈良にしろ、新たにチャンスを与えられた選手がアピールしたことはチームの幅を広げる意味で大きかった。彼らに自信を植え付けられたという点でも、手倉森監督の采配は見事だったと言える。
 
 6人もスタメンを入れ替えたにもかかわらず、コンビネーションもそこまで悪くはなかった。後半にチーム2点目を決めた右MFの矢島は、右SBの室屋とまずまずの呼吸を見せた。北朝鮮戦で先発した中島も良いプレーを見せていたし、今後どういうシステムや起用法で戦うのか、良い意味で悩みを抱えた試合だったろう。
 
 加えて、FWにゴールが生まれたのも見逃せない。先制点を奪った鈴木は、決して簡単なシュートではなかったが、勝負強さを発揮しよく決めたと思う。浅野や豊川がチャンスを逃し嫌な雰囲気が漂っていただけに、それを払拭した意義は大きい。
 
 後半に2ゴールを決めた久保もプレーに自信が漲っていた。体幹が強く、シュートフォームが崩れないから狙ったコースへ確実に撃てる。技術や勝負強さはFW陣では頭ひとつ抜けているだけに、このまま調子を上げれば、得点量産も期待できそうだ。
 
 一方で気掛かりなのが南野だ。この2試合のパフォーマンスを見る限りでは、まだチームにフィットしているとは言えない。南野の突出した得点力や打開力は、大きな武器になるのは間違いない。決勝トーナメントに向けて南野を活かす手を探る必要があるだろう。
 
 
 

次ページここまでは順調な足取りだが、出場権を掴むには課題も。

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