【プレミア現地コラム】今シーズンの気になる男。自称「猛烈で強烈な点取り屋」のCFが、ニューカッスルの新たなカルトヒーローに?

2016年01月16日 山中忍

広告看板を蹴りつけたセレブレーション。

マンチェスター・ユナイテッド戦では全得点に絡む活躍ぶり。後半戦もミトロビッチから目が離せない。 (C)Getty Images

 毎シーズン、ひとりは「気になる男」がいる。所属先のファンにしてみれば、新カルトヒーローの候補者。今シーズンはニューカッスルのアレクサンダル・ミトロビッチが、その類いだ。
 
 マンチェスター・ユナイテッドに二度も追いついた21節(3-3)のゲームでメディアのスポットライトが当たったのは、たしかに土壇場で3点目を決めたポール・ダメットだった。しかしファンの視線を奪ったのは、ミトロビッチだ。
 
 1-2で迎えた67分にPKを決めた後、思わず広告看板を蹴りつけたセレブレーション。90年代後半のカルト的英雄を彷彿させた新CFの姿に、ファンは「テムリ・ケツバイアの再来だ!!」と盛り上がった。"元祖"は二度、三度と看板を蹴っていた記憶があるが、ミトロビッチの一蹴りも"ジョーディー"(ニューカッスル市民)のハートを撃ち抜いた。
 
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 ファンはピッチ上のパフォーマンスも見落してはいない。彼らのツイートでたびたび「熱闘」という言葉で評されたミトロビッチは、みずから決めたPKを相手CBとの肉弾戦の末に奪い、強さと高さを武器に他の2得点にも絡んでいる。
 
 それでも『タイムズ』紙のように、10点満点中5点に留まる厳しい評価もあった。オープンプレーでネットを揺らせなかったからだろう。

次ページ好意的に解釈すれば情熱のほとばしり。

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