相手を見て狙いを共有する。コスタリカ戦でスタメン抜擢、猶本光のゴールに象徴されるなでしこジャパンの強さ

2023年07月27日 河治良幸

柔軟に戦えるベースが今の日本にはある

コスタリカ戦で先制ゴールを挙げた猶本。この試合のPOM に選ばれた。(C)Getty Images

 なでしこジャパンはニュージーランドのダニーデンでコスタリカと対戦。2−0で勝利し、ザンビア戦に続く2連勝。他会場でスペインがザンビアに勝利したため、2試合でグループステージ突破を決めた。

 池田太監督はザンビア戦からスタメン4人を入れ替え、猶本光、三宅史織、杉田妃和、林穂之香を起用。そのうちのひとりであるDF三宅は「トータルでいい試合をベースにしようというのをチーム全員で話してました」と語る。日本の先制点はその三宅のパスを起点に、同じく入れ替わりで、左シャドーでスタメン起用された猶本によってもたらされた。

「自分達にアプローチが三枚きてたら、中盤の選手が空いてるというのを意識してた」

 そう三宅が振り返るとおり、3-4-2-1の右センターバックを担った三宅はコスタリカの守備が、かなりボールホルダーにプレッシャーをかけてくると察知したという。スペイン戦では5バック気味に引き込む守備だったコスタリカが4-2-3-1できたのは、実際にゲームが始まってから分かったようだ。
 
「最初、どういう形でくるか分からないなかで、最初これっていうのはなかったですけど、試合の途中でベンチからも4-2-3-1という声があったり、そのなかで自分がどういうマッチアップなのか、攻撃の時にどこが空くのかというのは4-2-3-1ということで、大体把握できた」

 スペイン戦のスカウティングからすると、コスタリカが守備を固めてカウンターを狙ってくるものとばかり想定しやすい。実際に池田監督も含めて、日本のスタッフもその状況を踏まえて、ミドルシュートの得意な猶本や林をスタメンに起用したのもあるだろう。しかし、コスタリカが前からくるならきたで、どう試合を進めるべきかをチームや選手で共有して、柔軟に戦えるベースが今のなでしこジャパンにはある。
【PHOTO】なでしこJの出場16選手&監督の採点・寸評。展開力が冴えていた三宅。1得点の藤野は守備面でも欠かせない存在

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