“熱男”の底知れぬ魅力。完勝ザンビア戦で池田太監督のクレバーなマネジメントが見えた!【女子W杯】

2023年07月25日 渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)

「ハーフタイムには太さんから試合の流れを伝えてもらっていた」

W杯では熱さと冷静さの両面を見せる池田監督。(C)SOCCER DIGEST

 なでしこジャパンは7月22日、オーストラリア&ニュージーランドで開催されている女子ワールドカップのグループステージ初戦でザンビアと対戦。相手の枠内シュートを0本に抑え、5-0の完勝を収めた。

 この試合で目を見張ったのは、選手たちのクレバーさだった。

 相手がボールを保持した時にはハイプレスを仕掛けるよりも、スペースを消してパスコースを限定。ロングボールを放り込まれた際のセカンドボールの回収や、パスカットを狙った。

「今日(ザンビア戦)は最終ラインが少し重くなっても良いと思っていて、背後のスペースを消してからというのを意識していた」(熊谷紗希)

「中盤で相手にボールを持たれても、そんなに嫌じゃなかった。後手になってもとにかく前に奪いに行くということはなく、少し下がったり、背後を消してからというイメージだった」(長谷川唯)

 一方の攻撃面では、後半はロングボールも多用していたが、南萌華は「ハーフタイムには太さんから試合の流れを伝えてもらっていた。背後が狙えるのは、前半途中からみんなで共有していた。狙いを持って裏に蹴ったり、相手を揺さぶった」と明かした。
 
 U-20女子代表が初めてU-20女子W杯で優勝した2018年夏の帰国会見時に、当時のキャプテン南が「太さんが誰よりも"熱男"で、このチームに対する想いを毎回伝えてくれました」とモチベーターの一面を伝え、選手からは親しみを込めて"熱男"と呼ばれる池田監督。しかし、今大会では戦略家としての一面も見せているという。

「もちろん熱さもありますけど、ワールドカップはそれだけで戦えるものでもない。もちろん(熱さを)持っていなければいけませんが、太さんは上手くバランスを取ってくれている。(ニュージーランドに来てからは)戦術面のすり合わせが多いですが、試合前には太さん自身からも感じるサッカーができる喜びを語ってくれて、自分たちの原点を思い出させてくれた」(田中桃子)

 そんな指揮官は、次はどんな采配を見せるのか。GS2戦目のコスタリカ戦(7月26日)にも注目だ。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト特派)

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