【湘南/新体制】超越ならぬ「挑越」。皆で手を取り合ってハードルを越えていく! パウリーニョら新加入8人が決意

2016年01月13日 隈元大吾

サブタイトルは「『湘南EXPRESS』は、2016年も走り続けます」。エクスプレスには「気持ちを表現する」という意味もある。

(上段左から)端戸、村山、奈良輪、タンドウ・ベラピ、(下段左から)下田、パウリーニョ、曺監督、山根、岡本 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 湘南が1月13日、平塚市内で新体制発表会見を行なった。眞壁潔会長をはじめ、新たに就任した水谷尚人社長や小原光城強化本部長、高木理己ヘッドコーチ、齋藤直幸コーチ、そして曺貴裁監督、また学校行事で欠席した神谷優太(青森山田高)を除く新加入選手8人が抱負を語った。
 
 超越ならぬ「挑越」――。曺監督は今季のテーマに想いを込めた。
 
「我々は前に大きな高い山があった時に、腰が引けて後ろに下がるサッカーをするのではなく挑んでいきたい。自分たちが今まで築き上げてきたことはもとより、新しく自分たちが積み上げていかなければいけないことに挑み、皆で手を取り合ってハードルを越えていく。だから最初のミーティングで『挑越』という言葉を使い、選手たちに話をしました」
 
 サブタイトルには、「湘南EXPRESSは、2016年も走り続けます」という文言を添えた。
 
「スピード感を持ったサッカーをするとともに、エクスプレスには『気持ちを表現する』という意味もあります。我々はスタート地点に立ち、目的地があったらそこまで一気に走り続ける。
 
 脇目もふらず、雨や槍や雪が降ろうが、ぶれずにまっすぐ進んでいく。その意味で、このサブタイトルを付けた。昨年までやってきた選手たち、やってきたサッカーに加え、新しい湘南スタイルを出せるように、自分自身も原点に帰ろうという気持ちでいっぱい。
 
 必ずやここにいる選手たちと既存の選手たちとを融合し、周りをビックリさせられるようなチームにしていきたい」
 
 このオフには、昨季まで不動のボランチと主将を務めた永木亮太、クラブから中田英寿以来のA代表出場を果たした遠藤航、守護神の秋元陽太、シーズン終盤に覚醒した古林将太らが移籍した。「主力が何人か抜けて戦力ダウンを心配する声も聞かれるが?」という質問に対し、指揮官は力強く答えた。
 
「今『主力』という話が出たが、僕は監督になってから主力やレギュラーという言葉を使ったことは一度もない。ただ、チームとして(昨季の)主将と副将を失った事実はある。先ほど『超越』という言葉を使いましたが、プロは『ジャンプ・アップ・スピリット』、すなわち自分自身を向上させる気持ちがないと、選手としても、我々監督も生き残っていけない世界だと思う。
 
 そして、『ウィズ・ユー・スピリット』すなわちチームが勝つことに貢献する喜びが『ジャンプ・アップ・スピリット』と同じぐらい大切なんだということが選手に浸透すれば、間違いなくチームは強くなり、選手の価値は上がり、いろんな選択肢が増える。
 
 選手たちにそういうチャンスを与えてあげるのが監督としての大きな仕事。選手を成長させるのが一番の仕事という意味では、主将と副将が抜け、いろんな意味で新チームが生まれ変わるなか、すごく楽しみなシーズンになると思う。言われるような戦力ダウンは、まったく考えていない」
 

次ページ「ACLなど大きく高い目標を持っていきたい」とパウリーニョは誓う。

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