【リオ五輪予選】守備の要・岩波拓也が見据える北朝鮮戦の青写真。“本番に強いタイプ”と決勝ゴールも狙う

2016年01月13日 本田健介(サッカーダイジェスト)

セットプレーからのゴールを奪えるか。

最終ラインの要として、岩波が守備陣をリードする。セットプレーではゴールへの意欲も見せる。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 リオ五輪最終予選の初戦、北朝鮮戦へ闘志を漲らせるのが守備の要である岩波拓也だ。
 
 高さ、当たりの強さなど高い守備能力に加え正確なフィードを併せ持つ岩波は、現代的なCBであり、一見クールな印象を受ける。しかし、その根底には熱い想いが流れている。
 
「本当にオリンピックに出たいという気持ちが強い。それをピッチで表現したい。初戦が(2010年のU-16アジア選手権で敗れた)北朝鮮戦というのは、個人的にモチベーションが上がる」
 
 最近では声を出し、周囲を鼓舞する姿も目に付く。
 
「僕が一番にいかないとみんな静かなので。やっとみんなも声が出てきた」
 
 U-23日本代表は北朝鮮戦に向け、セットプレーの準備を入念に行なっている。そのなかで岩波は頼れるターゲットマンとなっている。そして自身も自らのゴールで勝利を掴みたいと考えている。
 
「個人的に本番に強いタイプなので、一発を狙っていきたい。僕が決められればチームは楽になると思う。もちろん、まずは無失点と考えているが、セットプレーは大切な武器だし、アジアはマークが甘い国が多い。そういうところで自分が活躍するチャンスもあると思うので、攻守において貢献したい」
 
 振り返れば、14年に奪ったJ1での初ゴールはCKからだった。そして昨季Jリーグで挙げた1得点もCKから。加えて"手倉森ジャパン"の試合でも昨年3月のミャンマー戦でCKから打点の高いヘッドでネットを揺らしている。
 
 いわば岩波にとってCKは"お得意の形"と言えるのだ。
 
 そしてその高さは守備でも大いに期待できる。北朝鮮は長身の選手をめがけてロングボールを狙ってくる可能性が高い。そこは岩波も想定済みだ。
 
「セカンドボールも大事になってきますが、僕らが空中戦に勝ってしっかり跳ね返せれば良い。緊張感はもちろんありますが、バタバタして先に点を取られるのが一番嫌な状況。前半はしっかり守って、チャンスを決めれば、北朝鮮も出てくるので、そこで2点目を取れる状況を作りたい」
 
 粘り強く守り、セットプレーからゴールを奪う。岩波の頭のなかには理想的な試合展開が出来上がっているのだろう。そしてそれを実現するだけの力はある。北朝鮮戦で岩波が有言実行となるプレーを見せてくれるのかには注目だ。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

【U-23日本代表】リオ五輪アジア最終予選に臨む23人
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事