J3最下位の相模原が16戦ぶり白星。2点ビハインドから逆転勝利。戸田監督は「またここから始まりだと伝えた」

2023年07月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

「喜ぶよりも反省のほうが多い」

相模原を率いる戸田監督。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 SC相模原は7月15日、J3第18節で奈良クラブと対戦し、3-2で勝利した。本拠地・ギオンスタジアムで相模原がリーグ戦16試合ぶりの白星を手にした。

 昨季のJ3で最下位に終わり、今季は戸田和幸監督を招へい。躍進を期したが、ここまでの17試合でわずか1勝で最下位。難しいシーズンを過ごしていた。

 迎えた今節も決して簡単な試合ではなかった。43分にPKを与えて奈良に先制を許すと、後半開始早々にも失点。2点のビハインドを背負い、苦しい展開に持ち込まれていた。
【動画】相模原が16試合ぶりのリーグ戦勝利!
 それでも、この日の相模原はいつもと違った。55分に西山拓実が右足を振り抜き1点差に詰め寄ると、62分には藤沼拓夢がヘディングでゴールネットを揺らし、7分間で同点に追いつく。
 
 そして85分、安藤翼がゴールライン際で粘って折り返すと、ゴール前に走り込んだ橋本陸が詰めて、ついに逆転。8分という長いアディショナルタイムを耐え抜き、待ちわびた瞬間が訪れた。
 
 試合後、記者会見に臨んだ戸田監督は「すべての人を待たせすぎてしまった。喜ぶよりも反省のほうが多い。選手やスタッフにはいっぱい喜んでほしい」とコメント。勝因を問われると「みんな成長しているし、絶対にできると伝え続けてきた。選手の力以外にない」と言い切った。
 
 ギオンスタジアムでは昨年6月以来の勝利で、戸田監督としては本拠地での初勝利となった。指揮官は「ほっとした」と安堵し、試合後の雰囲気と自身の責任を語っている。
 
「勝っても僕が喜ぶ立場ではない。涙するスタッフや選手、待ち望んでくれたサポーターなど、満たされる幸せな瞬間だったと思う。僕ができるだけ引っ張っていかないといけない立場にある」
 
 久々の勝利も依然として最下位は変わらない。J3残留に向けて「またここから始まりだよということを、今日メンバーに入らなかった選手たちも含めて伝えた」と指揮官は勝利に酔うことなく、気を引き締める。

 この勝利で流れを変えられるか。"諦めの悪い男たち"の反撃はこれからだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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