ブンデス躍進クラブの幹部が“悩める”ドイツ代表に苦言!カタールW杯にいたら「日本戦も1-0のまま凌げていた」選手とは?

2023年07月10日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

EURO2024での上位進出が至上命題

14年W杯優勝メンバーの兄とは異なり、ここまでドイツ代表と縁のないラニ・ケディラ。(C)Getty Images

 あの憎たらしいほど強いドイツはもはや過去の話だ。

 昨年のカタール・ワールドカップで2大会連続となるグループリーグ敗退の恥辱にまみれただけではない。今年6月のフレンドリーマッチ3連戦ではよもやの未勝利。ウクライナに3-3、ポーランドに0-1、コロンビアに0-2という惨敗に終わった。3月のベルギー戦(2-3)を含めれば、これで4戦未勝利。2023年の白星はペルー戦(2-0)が唯一となっている。

 たかがフレンドリーマッチと悠長に構えている余裕はないだろう。来年の欧州選手権(EURO2024)での上位躍進が至上命題となっているからだ。

 近年のドイツ代表を見ると、見栄えのいい、エレガントなプレーを披露するテクニシャンは増えた。テンポの良いパスワークによるボール支配の水準も高い。だが、かつての「美徳」が失われた印象は否めない。それは「執念」「泥臭さ」「スピリット」といった、近年スポットライトが当たりにくくなった非科学的な要素だ。

 逆に、エレガントとは相容れないスタイル(ハードワーク重視)を志向し、ブンデスリーガで好結果を残しているのがウニオン・ベルリン。初昇格から4年でチャンピオンズリーグ出場権獲得の快挙をやってのけたチームだ。その首都クラブで強化責任者を務めるオリバー・ルーナートも、最近のドイツ代表には思うところがあるという。先頃、『南ドイツ新聞』のインタビューでこう不満を漏らした。

「私は代表チームの幹部と日常的にコミュニケーションをとっていて、ウルス・フィッシャー(ウニオン・ベルリン監督)とハンジ・フリック(ドイツ代表監督)も直に交流している。そして、彼(フリック)のチームはパフォーマンスに基づき、メンバーを決めると言っているのだが…(ウニオンのMF)ラニ・ケディラが長いこと選出されないのは理解できない。彼はここ2年間、国内外で素晴らしいパフォーマンスを見せている」

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 3-5-2システムのウニオンで不動のアンカーを務めるケディラは、いわゆる闘える選手でありハードワーカーだ。90分間を通してピッチを走り回り、危険なスペースを埋めたり、時にはファウルを厭わない激しい守りを見せたりしながら縁の下の力持ちとなっている。もし、彼がカタール大会に出場していたら…。ルーナートは「これは持論」と断りつつも、逆転負けを喫したカタールW杯・日本戦の結果も変わっていたと主張する。

「ああいう選手がいたら、日本戦でどうにか1-0のリードのまま凌げていただろう」

 9月9日には日本代表との再戦が待っている。逆風に晒されるフリック体制が、その一戦に「本気モード」で臨む可能性は小さくない。はたしてフリックはケディラ、あるいは同じく待望論のあるロベルト・アンドリヒ(レバークーゼン)のようなファイターの招集に踏み切るのか、それとも従来のボールプレーヤー重視で臨むのか注目されるところだ。

 憎たらしいほど強いドイツの復活を待ち望むオールドファンは少なくない。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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