「1点取れたのは良かったけど...」パリ五輪世代の町田FW藤尾翔太、電光石火の先制弾もドローに悔い「自分たちの甘さが出た」

2023年07月10日 野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

「しょうがないという言葉では取り返しがつかない」

開始早々にゴールを決めた藤尾。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J2第25節]町田 2-2 東京V/7月9日/国立競技場

 FC町田ゼルビアは7月9日、J2第25節で東京ヴェルディと対戦し、2-2で引き分けた。痛み分けとなった一戦で、開始早々に先制点を決めたのが、藤尾翔太だった。

 開始2分、GKポープ・ウィリアムのロングキックのこぼれ球を藤尾が収める。そこから、平河悠、エリキ、安井拓也とつなぎ、安井が出した浮き球の縦パスに、エリキが反応してシュートを放つ。これは、相手GKに弾かれたが、ゴール前に走り込んでいた藤尾が左足で流し込んだ。
【動画】最初のチャンスで見事に先制!ゼルビア藤尾翔太の左足弾!
 試合後に藤尾は、得点シーンを次のように振り返る。

「拓也君からエリキにボールが出て、その後ろを『チャンスが来たらいいな』と思って走っていた。そのままボールがこぼれてきて、上手く決められて良かった」

 この試合で、藤尾は優れた得点感覚やポストプレーに加えて、守備や低い位置からのパスワークでも存在感を発揮した。ディフェンスについては、こう意識していたという。

「(東京Vのボランチである)森田(晃樹)選手をちゃんとマークしておけば、あまり攻撃は始まらないと思っていたので、エリキに前のプレッシャーは任せて、森田選手に入った時に強くいこうと思っていたので、前半の守備は上手くできたかなと思う」

 3月にセレッソ大阪から育成型期限付き移籍で加入した今季、ここまでリーグ戦で21試合に出場しているものの途中出場が主で、スタメンはこの東京V戦が4試合目だった。今シーズン最長の88分のプレーとなったが、コンディションには自信を見せる。

「体力的には全然問題がなかった。試合に向けてコンディションを作っている。出番が来た時に100%出せるようにやっていた」
 
 自身は目に見える結果を出した。ただ、チームは藤尾と38分の安井の得点でリードしたものの、73分と83分に東京Vの染野唯月にゴールを割られて、引き分けに持ち込まれた。藤尾は「チームが勝つのが一番大事。達成できなくて悔しい」と唇を噛み、チームの課題に向き合う。

「前半あれだけ、チャンスがあったなかで、決め切れないというところと、2点目を取ったあとの、ボールにプレッシャーに行けないというので、押し込まれた。

 こういう結果になったのは、しょうがないという言葉では取り返しがつかない。ちゃんと、ボールには行かないといけないし、守備に入るのも早かったし、自分たちの甘さが出た試合だと思う」

 2024年のパリ五輪を目ざすU-22日本代表の常連でもある藤尾。「チームで結果を残して良いコンディションを保っていれば、見てくれていると思う。その延長線上に、それがあるという気持ちでやっている」という。

「その意味で結果を出せたのでは?」と報道陣から問われると、「結果として1点取れたのは良かったけど、悔しい」と総括した。

取材・文●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

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