なかなかの正義感を発揮したのが、元韓国代表FWのイ・チョンス氏だ。

　事件が起こったのは現地７月４日夜だった。マネジャーと車に乗っていたイ・チョンス氏はソウルのオリンピック大通りで渋滞に出くわす。するとひとりの男性が走って逃げ、そのあとを高齢のタクシー運転手が追う姿が目に飛び込んできた。車外へ出たイ・チョンス氏は運転手に嘆願され、およそ１キロを走破して犯人の確保に成功したのだ。

　現地６日になってイ・チョンス氏はYouTubeで当時の状況を説明。「なぜこんなところで渋滞するのかおかしいなと思っていたら、あっちから白い服の人物が走ってきた。そしたらお年を召した運転手さんが『お願いです。捕まえてください！』と言うので、理由も分からず走り出した」と振り返った。
 

　そして、「かなり暗かったりで大変だったけど、なんとか捕まえて警察に引き渡した」という。だが、事態は思いも寄らない展開を見せたようだ。「警察は本当にすぐに来た。犯人を引き連れて渡そうとしたら、警察は僕が犯人だと思って捕まえようとしたのだ。違うよ、後ろ、後ろのひと！」と、裏話を明かして笑いを誘った。さらに切ない表情を浮かべながら、「妻にしても、一報を聞いて僕が事故を起こしたと勘違いしていたよ。なんだかよく分からないけど、こういうことがあるとまず僕が疑われてしまうんだな」と残念がった。

　これまでもピッチ内外での"悪童"ぶりがことあるごとに報じられ、なにかと言動で物議を醸してきた41歳。ソウルの地元警察署から今回の一件に関して感謝状と褒賞金（９万円程度）を贈られる予定だと聞き、「当たり前のことをやっただけ。褒賞金は当然寄付するよ」と殊勝に語った。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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