第94回全国高校サッカー選手権大会の準決勝・第１試合、星稜対東福岡が１月９日、埼玉スタジアム2002で行なわれた。
 
　前回選手権王者の星稜と、今年度インターハイ覇者・東福岡の対戦となった試合は、立ち上がりから東福岡がボールを支配。トップの餅山大輝を軸に、10番の中村健人、今大会初スタメンの２年生MF藤川虎太朗の２シャドーらが絡んで多彩なパス回しでゴールに迫る。一方の星稜は、中盤で虎視眈々とボール奪取を狙い、素早いカウンターに活路を見出そうとした。
 
　試合は前半アディショナルタイムに動いた。東福岡が左サイドを深く破ってチャンスを広げると、橋本和征がラストパス。これに反応した藤川がワントラップから左足のシュートを逆サイドのネットに突き刺した。前半終了間際のゴールで東福岡が１-０とリードしてハーフタイムに入った。
 
　前半シュート０本に終わった星稜は後半、中盤でのプレッシングを強め反撃に打って出た。両サイドの六田邦宏、助田航平も積極的な上がりを見せ始める。
 
　しかし後半13分、東福岡が追加点を奪う。星稜のディフェンスラインの裏を突いて右サイドを攻略すると、最後は後方から上がってきた２年生アンカーの鍬先祐弥がミドルシュートを突き刺した。東福岡が２点をリードする。
 
　東福岡はその後も前掛かりになる星稜の攻撃をいなしては、背後を効果的に突く攻めでチャンスを量産。主導権を渡さず、安定した試合運びを見せる。
 
　結局、試合は２-０のままタイムアップ。夏の王者・東福岡がふたりの２年生MFの活躍で前回王者の星稜を下して決勝に駒を進めた。東福岡は17年ぶりの優勝、そして夏冬連覇へ王手をかけた。