平畠啓史チョイス“至極の11人”|宮市亮は生きる喜びを一番与えてくれた。献身的なダワンは空中戦も強い【J1月間ベストイレブン6月】

2023年07月03日 平畠啓史

試合を引き締めたショルツと植田

平畠氏がセレクトした6月のJ1月間ベストイレブン。MVPは横浜のスピードスターだ。(C)SOCCER DIGEST

 芸能界屈指のサッカー通で、J1からJ3まで幅広く試合を観戦。Jリーグウォッチャーとしておなじみの平畠啓史氏がセレクトする「J1月間ベストイレブン」。6月の栄えある11人はどんな顔ぶれになったか。今月は超攻撃的な2-4-4システムだ。

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 GKは鳥栖の朴一圭。3試合2失点。足もとの技術やフィード能力は言うまでもないが、シュートに対する反応、特に至近距離のシュートに対する反応は一級品。

 第18節、湘南戦は6-0というスコアで、攻撃陣に目が行きがちだが、湘南が攻撃できていなかったわけではない。シュート数では鳥栖よりも湘南のほうが多かった。

 そこに立ちはだかったのが朴。象徴的なのは56分のシーン。大橋祐紀のシュートに対し、朴のアクションは逆に行きかけていたが、それでも見事に反応してセーブ。すぐに体勢を立て直し、大橋の二度目のシュートも反応して見せた。鳥栖にとって攻守両面で欠かせないGKである。
 
 センターバックは浦和のアレクサンダー・ショルツと鹿島の植田直通。第16節の浦和対鹿島は0-0で終わったものの、緊張感に溢れ、見る者をサッカーに集中させてくれる素晴らしいゲームだった。

 その試合をしっかりと引き締めていたのがショルツと植田。リアクションの動きが多いディフェンダーながら、ジタバタすることなく、常に余裕を持った振る舞い。集中力も高くミスも少ない。そして、相手の攻撃陣に隙を見せることがない。

 植田は試合には負けたものの、第18節のG大阪戦ではCKからヘディングシュートを決めた。なんとか追いつこうとゴールを喜ぶ素振りも見せず、一目散に自分のポジションに戻っていく姿が印象的だった。

 守備的な中盤にはG大阪のダワン。1ゴール・2アシストと数字を残しただけでなく、攻守両面で常にボールに関わる動きを見せ続けている。

 6月の自陣空中戦数のランキング3位。そのランキングのほとんどがディフェンダーであることを見ても、ダワンが献身的にプレーを続けていることは明らかである。

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