「たしかに本当に難しかった」イニエスタが出番激減の今季を回想。苦境で芽生えたのは?「同時に、この状況は...」

2023年07月02日 野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

「自分にとっては、次に向けてのモチベーションにもつながった」

今季を振り返ったイニエスタ。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第19節]神戸1-1札幌/7月1日/ノエビアスタジアム神戸

 ヴィッセル神戸は7月1日に開催されたJ1第19節の北海道コンサドーレ札幌戦に、1-1のドロー。この一戦が神戸でのラストマッチだったアンドレス・イニエスタは先発して、57分までトップ下でプレーした。

 スペインが誇る"マジシャン"にとって、2023シーズンは厳しいものだった。負傷や妻の出産立ち合いで出遅れて、コンディションが戻ってからも、出場機会に恵まれなかった。

 数々の栄光を経験した世界的なスーパースターは、試合に出られない時期はどのように過ごしていたのか。札幌戦後に取材に応じたイニエスタは、こう語った。

「この数か月は、たしかに本当に難しかった。自分のなかでも消化するのが難しい時間だった。そのなかでも自分は、まずしっかりと日々のモチベーションを見出していかないといけなかった。

 それは、スポーツへのリスペクトだったり、クラブやチームメイトへのリスペクトから日々のトレーニングのなかで最大限のモチベーションを持って、やっていくことが重要だと考えてきた」
 
 苦しい期間に、新たなチャレンジへの思いが強くなったという。

「同時にこの状況というのは、自分にとっては、次に向けてのモチベーションにもつながった。日々のなかで自分がまだできる、選手として戦う、チームに貢献できる準備ができていると感じてきた。ただ、監督はそのようには考えていなかったなかで、自分としてはまだサッカーを続けるモチベーションにもつながったと思う。

 だから、新天地でもサッカーを続けていきたいと思っているし、新たに行くところで実際に自分のコンディションが良いのか、プレーできるのかは行ってみるまで分からない。少なくとも、ここに残ったら達成するのが難しいだろうという思いで、この新たな一歩を踏む決断をした」

 新たなステージについては、「もう少し待たないといけない状況で、次がどこになるかは、まだ分からない」と説明した。

取材・文●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

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