【アトレティコ・マドリー|冬の補強動向】すでにA・フェルナンデスを獲得。D・コスタも復帰?

2016年01月03日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

フロントの素早い動きとシメオネ監督の存在が鍵に。

故障離脱したチアゴの代役として獲得したA・フェルナンデス。アンカーに加え、トップ下やサイドでもソツなく機能するだけに、アトレティコにとっては大きな補強に。(C)Getty Images

 夏に大型補強を敢行し、質・量ともに十分だったチームにぽっかりと大きな穴が空いたのは、リーガ・エスパニョーラ13節のエスパニョール戦(2015年11月28日)。攻守両面で高い貢献を見せていたアンカーのチアゴが、全治3か月の大怪我(腓骨骨折)を負ったのだ。
 
 しかし、現場の一大事に対し、フロントのリアクションは早かった。"ハビエル・マスチェラーノ2世"と呼ばれるボランチ、マティアス・クラネビッテル(リーベル)の獲得はすでに決まっていたものの、欧州初挑戦となる22歳の若者にチアゴの代役は荷が重すぎると判断したのか、セルタのキャプテンにして不動のアンカーだったアルゼンチン代表MF、アウグスト・フェルナンデスを650万ユーロ(約9億円)で獲得したのだ。
 
 12月31日にメディカルチェックを通過し、元旦に3年半契約を発表。フロントの軽快なフットワークに加え、両チームの指揮官同士がアルゼンチン代表時代のチームメイトだったこと、A・アウグストがディエゴ・シメオネ監督のリーベル監督時代の教え子だったことなどもプラスに作用し、今回のスピード決着に繋がったのだろう。シメオネ監督は「重要な選手が加入してくれた。中盤にバリエーションをもたらしてくれるだろう」と満足げだ。

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 最大の課題だったチアゴの代役探しに成功したアトレティコ。今冬の残された課題は余剰人員の整理となる。夏のフィリペ・ルイスの復帰以降、出場機会を大幅に減らしていた左SBのギリェルメ・シケイラ、トップチームに昇格したもののいまだにリーガ・デビューできずにいるCBのリュカ、クラネビッテル&A・アウグストの加入で立場がますます微妙になったセントラルMFのサウール・ニゲスとトーマスあたりが、退団の有力候補だ。
 
 さらに、夏に獲得したものの低調なジャクソン・マルティネスにもトレード話が浮上する。チェルシーから舞い込んだのは、「ジエゴ・コスタとのトレード」。ジャクソンの代理人は接触を認めたうえで、「決定権はクラブにある」とコメントしているが、リーガで2ゴール、CLで1ゴールと完全に期待を裏切り続けているうえ、元エースのD・コスタが復帰するとなれば、アトレティコにとっても悪い話ではないはずだ。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部
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