試合は1ー1のドローに
浦和と川崎のゴールマウスを守った西川(写真左)と上福元。失点には絡んだが、特長も示した。(C)SOCCER DIGEST
[J1第18節]浦和 1-1 川崎/6月24日/埼玉スタジアム2002
浦和と川崎が対戦したゲームでは、ともにGKのプレーが失点に直結する珍しい形で1ー1のドローとなった。
両者ともに勝利への想いを押し出していただけに、勝点3を得られなかった悔しさのほうが大きいのだろう。特に試合終盤に数的優位を得た浦和側はなおさらか。
もっとも、失点シーンは両GKが絡んだとはいえ、各々のチームスタイルがよく表われたシーンでもあった。
試合が動いたのは53分、GK西川周作が相手最終ラインの裏へ走り出した安居海渡へロングフィードを送る。安居は川崎のCB大南拓磨と競りながらボールを追うも、川崎のGK上福元直人がペナルティエリアを飛び出してヘッドでクリアした。しかし、そのボールが関根貴大のもとに転がり、後半頭から登場した男がロングシュートを決めたのだ。
できるだけコンパクトな陣形を保つ川崎にとって、最終ライン裏の広大なスペースのカバーはGKの仕事である。このタスクを機動力のある上福元が今季、担ってきたが、浦和戦では失点につながる形になってしまった。
もっとも鬼木達監督が「後ろのスペースは常にカミ(上福元)に託しているところもある。カミのああいうプレーはずっと自分たちが求めているところでもあり、何度も救われてきたので、続けていってほしいです」とフォローしたように、彼のプレーは川崎の積極的な戦い方を象徴するものだった。
ただし、上福元本人は修正ポイントも語る。
「相手が動き出していたところは見えていましたし、(相手の)キーパーが狙っているという予測はありましたが、(味方の)DFが後追いでも間に合ったというところを考えると、任せるのか、自分がいくのか判断のところ、ただボールに自分が触っている以上、質の部分で解決できたところはあると思うので、全部が全部、あれをいけるわけではないと思いますが、触ったからにはクオリティで、ああいう風にならない場所に弾けたら良かったです。
でも狙いとか自分の持ち味を考えたら、引くわけでなく、適材適所でジャッジできるように、心構えを持ち続けながら、やはり冷静に判断できるように改善していきたいです。悲観的に捉えすぎてもしょうがないですし、投げやりになるわけでなく良かった部分を持ちながら、今後もチームを助けるプレーに変えていきたいです」
果敢な姿勢は持ち続けながら、守備陣との連係を含めた判断とクリアの質を改善していく。それが今後のチームのベースアップにつながるのだろう。
浦和と川崎が対戦したゲームでは、ともにGKのプレーが失点に直結する珍しい形で1ー1のドローとなった。
両者ともに勝利への想いを押し出していただけに、勝点3を得られなかった悔しさのほうが大きいのだろう。特に試合終盤に数的優位を得た浦和側はなおさらか。
もっとも、失点シーンは両GKが絡んだとはいえ、各々のチームスタイルがよく表われたシーンでもあった。
試合が動いたのは53分、GK西川周作が相手最終ラインの裏へ走り出した安居海渡へロングフィードを送る。安居は川崎のCB大南拓磨と競りながらボールを追うも、川崎のGK上福元直人がペナルティエリアを飛び出してヘッドでクリアした。しかし、そのボールが関根貴大のもとに転がり、後半頭から登場した男がロングシュートを決めたのだ。
できるだけコンパクトな陣形を保つ川崎にとって、最終ライン裏の広大なスペースのカバーはGKの仕事である。このタスクを機動力のある上福元が今季、担ってきたが、浦和戦では失点につながる形になってしまった。
もっとも鬼木達監督が「後ろのスペースは常にカミ(上福元)に託しているところもある。カミのああいうプレーはずっと自分たちが求めているところでもあり、何度も救われてきたので、続けていってほしいです」とフォローしたように、彼のプレーは川崎の積極的な戦い方を象徴するものだった。
ただし、上福元本人は修正ポイントも語る。
「相手が動き出していたところは見えていましたし、(相手の)キーパーが狙っているという予測はありましたが、(味方の)DFが後追いでも間に合ったというところを考えると、任せるのか、自分がいくのか判断のところ、ただボールに自分が触っている以上、質の部分で解決できたところはあると思うので、全部が全部、あれをいけるわけではないと思いますが、触ったからにはクオリティで、ああいう風にならない場所に弾けたら良かったです。
でも狙いとか自分の持ち味を考えたら、引くわけでなく、適材適所でジャッジできるように、心構えを持ち続けながら、やはり冷静に判断できるように改善していきたいです。悲観的に捉えすぎてもしょうがないですし、投げやりになるわけでなく良かった部分を持ちながら、今後もチームを助けるプレーに変えていきたいです」
果敢な姿勢は持ち続けながら、守備陣との連係を含めた判断とクリアの質を改善していく。それが今後のチームのベースアップにつながるのだろう。
一方、その5分後には浦和のGK西川が失点につながるプレーをする。ボランチの岩尾憲を一枚落として、CBを含めた3枚でボール回しをした浦和は川崎のプレッシャーを受けると、岩尾が西川へバックパス。足もとの技術に長けた西川は、これを左足で右方向に持ち出そうとしたが、まさかのコントロールミス。ボールはゴールへと吸い込まれた。西川にとっては非常に珍しいシーンと言えただろう。
西川はこう述懐する。
「自分のなかでボールがまだ来てないところで、次のことを考えてしまったのが、コントロールミスにつながってしまったと思っています。ただ、練習でも常にああいうことが起きるんだと教えてもらっていましたし、不思議と次ミスしたらどうしようとかそういう不安はなく、日頃、良いプレーをしても悪いプレーをしても、切り替えるというのは練習から意識しているので、残りの時間も落ち着いてできたかなと思います」
こちらもミスは起きてしまったが、後方から丁寧なビルドアップを試みた、チームスタイルを体現したからこその失点と捉えられるだろう。
さらに西川の言葉にあったように、印象深かったのは両GKとも失点で崩れるのではなく、その後も力強いパフォーマンスを続けたことだ。
エラーは改善しつつ、前向きに取り組む。それは彼らのメンタルの強さと、確固たるチームスタイルがあるからこその割り切りが背景に垣間見えた。珍しい展開になった一戦は、改めて両チームの特長が表われたゲームでもあった。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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こちらもミスは起きてしまったが、後方から丁寧なビルドアップを試みた、チームスタイルを体現したからこその失点と捉えられるだろう。
さらに西川の言葉にあったように、印象深かったのは両GKとも失点で崩れるのではなく、その後も力強いパフォーマンスを続けたことだ。
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