新監督の初陣でなぜ上位の名古屋を圧倒できたのか。森重が語る勝因「意識ひとつでこんなにもチームが変わる」【FC東京】

2023年06月25日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

どちらが首位争いをしているのか

名古屋戦でFC東京を指揮したクラモフスキー監督。初陣で見事な勝利を収めた。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

「今日は東京が気持ちを最後まで切らさず、どの選手もよく走っていた」

 FC東京が名古屋を2−0と下した試合後、名古屋の長谷川監督は会見の冒頭でこう話した。

 クラモフスキー監督の初陣となった名古屋戦、FC東京は少し不安定だった立ち上がりの時間帯を除けば力強いパフォーマンスを見せつけた。球際の競り合いに負けず、中央のエリアでは安部と松木の両ボランチがセカンドボールを首尾よく回収。どちらが首位争いをしているのか、そんな疑問さえ浮かぶほどの展開だった。

 D・オリヴェイラの先制弾でリードした後も気を緩めず、後半に入ってもタイトな守備で敵の攻撃を跳ね返す。そして、終盤の80分に安部の完璧なクロスからD・オリヴェイラが追加点を決めても「気持ちを最後まで切らさず」戦った結果、FC東京は完封勝利を収めたのである。上位の名古屋をなぜ圧倒できたのか。CBのH・トレヴィザンとともにゴール前に強固な壁を築いた森重は、勝因について以下のように話していた。

「切り替えのところが早かったです。守備から攻撃、攻撃から守備、その両方の部分で上手くできていました。カウンターを受けても、戻れる選手は全員下がっていましたから。そうやって一つひとつのプレーにこだわりを持って、チームのために走っていた。それが結果的にチームの大きな力になるし、意識ひとつでこんなにもチームが変わることを実感している」
 「どの選手も走っていた」との長谷川監督のコメントは、森重の証言からも勝敗を分ける要因になったことが分かる。振り返れば、6月20日の囲み会見でクラモフスキー監督はこんな話をしていた。

「毎日、最大限のパワーでやっていく。1日、1日、しっかりとやる。大事なのはやはりハードワークです」

 これを名古屋戦で選手たちが実践したということだろう。

 リーグ戦では5試合ぶりの勝利。ようやく悪い流れを断ち切ったが、大事なのはむしろここからだ。名古屋戦で見せた気迫、意識を継続して発揮できないと意味がない。

 クラモフスキー監督の下での挑戦は始まったばかり。問われるのは継続力だろう。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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