【川崎】大南拓磨と登里享平は何を確認し合ったのか?浦和戦の前半終了時のディスカッションの中身

2023年06月25日 本田健介(サッカーダイジェスト)

「自分の良さを出していきたい」(大南)

CBとしてプレーした大南(写真左)と左SBを務めた登里。ふたりの間でも話し合いが行なわれたそうだ。(C)SOCCER DIGEST

[J1第18節]浦和 1-1 川崎/6月24日/埼玉スタジアム2002

 浦和と川崎が対戦した一戦は、両GKが失点に絡むなど1ー1のドローで試合終了のホイッスルを聞いた。

「今日は優勝争いしていくうえでは必ず勝点3が必要だと思っていました。選手たちにもそういう話をして送り出しましたが、結果として勝点3を取れなかったこと、それが一番悔しいです」

 そう試合を振り返ったのは川崎の鬼木達監督だ。53分に相手GK西川周作のロングフィードで最終ラインの裏を狙われると、守護神の上福元直人がペナルティエリアを飛び出してヘッドでクリアしたが、関根貴大に拾われるとロングシュートを決められた。

 5分後には浦和の低い位置でのパス回しにプレスをかけると、GK西川のミスを誘い同点に追いついたが、78分には途中出場のMF小塚和季が危険なタックルで一発退場。敵地で勝点1を得るにとどまった。

 もっともこの勝点1を次につなぐためにも、試合後、ロッカールームでは各選手が活発に話し合いを行なった様子で、CBの大南拓磨は「チームとしてコミュニケーションを取っていく、声を出していくところが課題だったので、そこはちょっとずつ良くなっている証拠なのかな」と前を向いた。
 
 今季、柏から加入した大南といえば、川崎独特のポゼッションサッカーへの適応に取り組んでいる最中だ。ただ、自慢のスピードと対人の強さを生かして、車屋紳太郎とのCBコンビ、もしくは右SBとしても出場機会を増やしている。

 そんな大南は、浦和戦の前半終了時、ロッカールームに引き上げてくる際に、左SBでキャプテンマークを巻いた登里享平から、パスを受ける際の身体の向きなど何やらアドバイスを送られた様子。試合後にそのシーンを訊いてみると、大南はこう話してくれた。

「(自分は最終ラインで)フリーになることが多くて、(チームとしては)左肩上がりと言いますか、ボランチも左に寄っていて、自分が持った時に、基本、前がみんな捕まっている状態でした。だからフリーの自分が持ち上がりたいという気持ちがあったんです。フリーなのにやり直すのは...、という想いもあったので。

 でも外へ止めるだけでなく、一度、外も後ろも見れるように、カミくん(GKの上福元)に戻して相手を動かして疲れさせることもしていこうよという話があったので、そうだなと。やり直しながら、ちょっとずつと言いますか」

 ボールを持てば前に進みたいという大南の果敢な姿勢も十分に理解できるが、チームとしては遊び球を増やしながら、相手の陣形を動かして、隙を突きたいという想いも強いのだろう。

 川崎独特の感覚に対して大南は「まだまだ全然だなという想いはあります。でも考え方は合ってきていると思っているので、そこから自分の良さを出していきたいです」と口にする。

 前述したように、ディスカッションを繰り返し、各々の考えを擦り合わせる回数が増えていることはポジティブに映る。こうした考えの共有がチームとしての戦い方、そして大南のパフォーマンスにもプラスになるのだろう。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)


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