【日本人欧州組の前半戦通信簿|プレミア&リーガ編】エースの負担を軽減させた岡崎&目に見える結果が欲しい乾

2015年12月31日 豊福 晋、松澤浩三

大ブレイクしたヴァーディーの負担を軽減させた岡崎。

岡崎は前線からの守備でチームに貢献。プレミアの水にも慣れ始めているだけに、後半戦はFWらしいゴールという結果が欲しい。(C) Getty Images

岡崎慎司(レスター=イングランド)
17試合・3ゴール・0アシスト
評価:○よくできました
 
 リーグ戦17試合に出場して3得点。ドイツ時代の岡崎を知るファン、そして本人としてもゴール数は満足がいくものではないだろう。
 
 しかし、プレミアリーグ参戦1年目なうえ、周囲の期待を良い意味で裏切って首位を快走する今シーズンのレスターで、コンスタントに先発出場を果たしているのは事実。さらに前線からの守備や繋ぎ役をこなし、絶好調の得点王争い1、2位コンビのヴァーディーとマハレズをサポートしている点は評価すべきポイントだ。
 
 だが、このままサポート役だけで1シーズン目を終えるつもりなど、岡崎には毛頭ない。12月19日のエバートン戦では「ミスをしてもいいから前を向くことばかり考えていた。点を取ろうというのが強かったので、本当にそれが実って良かった」と、ゴールに貪欲な姿勢で臨み、今シーズン3点目をゲットした。
 
 シーズン折り返しを目前にしてストライカーとしてのエゴを見せ始めた岡崎の後半戦に大きな期待がかかる。
 
 吉田麻也(サウサンプトン=イングランド)
13試合・0ゴール・0アシスト
評価=×頑張りましょう
 
 開幕戦から4試合はCBで先発出場し、ファン・ダイクが夏の移籍期限ぎりぎりで加入して以降も、主に右SBとして出場機会を得てきた。この序盤は懸念されていた得点に直結する大きなミスもなく、安定したパフォーマンスを見せていた。
 
 しかし、右SBで先発出場した9月20日のマンチェスター・ユナイテッド戦では、GKへの不用意なバックパスをマルシアルに奪われて失点。さらに守備力を買われて先発した11月下旬のマンチェスター・シティ戦でも、前半早々に中途半端なプレーと判断ミスからスターリングにあっさりとボールを奪取されて先制点を献上。チームに悪い流れを呼び込み、90分を通してプレーに冴えは見られなかった。この影響もあってか次節のアストン・ビラ戦では今シーズン初めてベンチ落ちを経験している。
 
 その一方でCBではなくSBとしての出場という弁解の余地もあり、さらに少しずつだがSBの役割も理解し始めている。ロナルド・クーマン監督は、いまだに吉田を貴重な戦力と考えているだけに、後半戦は専守防衛を軸にしたシンプルなプレーを心がけて、指揮官の信頼を取り戻したい。

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