三笘薫をどう活かすか。19年ユニバ優勝メンバーのカルテットに期待。焦点は縦への意識「僕のアシストが増えるかもしれない」

2023年06月15日 元川悦子

「相手を引き出す作業が必要」

左ウイングで先発が予想される三笘。前回のコロンビア戦に続く連続ゴールを狙う。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 第二次森保ジャパンの3戦目となるエルサルバドル戦(豊田)が、6月15日に行なわれる。12日から千葉・幕張で強化合宿をスタートさせていた日本代表は、14日に試合の地へ移動。夕方には豊田スタジアムで公式練習に臨み、最終的な戦い方や連係面を確認した。

 13日の紅白戦を公開した通り、森保一監督は今回、4-3-3からゲームをスタートさせる意向と示している。

「基本的には昨日の練習の流れから、戦術的にもメンバーのほうも準備していきたい」と指揮官は前日会見でも明言。何らかのアクシデントがない限り、東京五輪世代と元川崎勢を主体とした陣容で戦う腹積もりだ。

 目を引くのが、左サイド側のメンバー構成だ。サイドバックの森下龍矢(名古屋)、ウイングの三笘薫(ブライトン)、インサイドハーフの旗手怜央(セルティック)は、全員が2019年ユニバーシアード(ナポリ)の優勝メンバー。FWの上田綺世(サークル・ブルージュ)も含めれば、カルテットもでき上がる。

 彼らはお互いの個性やストロングを熟知している分、息の合ったコンビネーションや攻撃パターンが期待できそうだ。

 そこで注目されるのが、「三笘の活かし方」だ。3月シリーズで鎌田大地(フランクフルト)が「薫は今後数年間、日本代表の一番の武器になると思う。プレミアリーグでのプレーを見ていると、周りがどれだけ彼が仕掛けられるような状況を作っていくかがすごく大事になる」と発言。
 
 今シリーズ突入後に伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)も「上手くサイドのところで1対1の形を作ったり、前に前にボールを付けていくのが大事かなと。チームとしても、もっとシュートを打って攻撃していかなきゃいけない」と強調しており、その重要性がよく理解できる。

 今回のエルサルバドルは堅守とカウンターを武器とするチーム。「エルサルバドルは2022年のカタール・ワールドカップで対戦したコスタリカ同等の力がある」と森保監督も語ったほど、日本にしてみれば苦手なタイプの相手だ。

 コスタリカ戦で攻めあぐね、最終的には1失点して敗れたグループステージ第2戦の記憶は鮮明だが、今回も同じような展開を強いられる可能性が高い。

 となれば、三笘が仕掛けるスペースはそうそうない。久保建英(レアル・ソシエダ)、菅原由勢(AZ)らが陣取る右サイド、守田英正(スポルティング)、堂安律(フライブルク)、旗手で構成される中盤で細かいパス交換などを有効に使って上手く時間を作り、敵を巧みに引き付けて、左に大きく展開するなど工夫しないと、新・背番号7の異次元のドリブル突破や驚異的な推進力も、宝の持ち腐れになりかねない。

「クロスからヘディングだったり、そういう質の部分は引いてくる相手は関係ない。そういうところで、たくさんチャンスを作ることで、ゴールの可能性も増えてくる。1人2人、抜ければいい話ですけど、そんな簡単ではないので、ミドルシュートだったり、相手を引き出す作業が必要になってくると思ってます」と、三笘自身も攻めのポイントを語っていた。

【PHOTO】三笘&久保が先発か…エルサルバドル戦に向け日本代表が前日練習を豊田で実施!

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