「ステップアップしたい」欧州カップ戦出場はならず…斉藤光毅が今季ラストゲーム後に明かした“進化への青写真”【現地発】

2023年06月12日 中田徹

「雰囲気をガラッと変えられるような選手になりたい」

今季はキャリアハイの7得点を叩き出した斉藤。スパルタの地元ファンのハートをがっちり掴んだ。(C)Getty Images

 6月11日、オランダリーグ・プレーオフ決勝戦第2レグはホームのトゥエンテが1-0でスパルタを下し、対戦成績を1勝1分けとした。この結果、トゥエンテは来シーズンのUEFAカンファレンスリーグ予選2回戦の出場権を獲得した。

 最後は力尽きたスパルタだったが、レギュラーシーズンで積み重ねた勝点59という数字は1984―85シーズン(当時の勝点2点制を3点制に換算)以来の好成績だ。現地では「今シーズンのスパルタは歴史的なシーズンを過ごした」と言われている。マウリス・スタイン監督とヌルディン・ブハリコーチは「今日の結果は残念。しかし、チームのことを誇りに思う」と口を揃えた。

 その後、インタビューエリアに姿を表した斉藤光毅に、監督・コーチのコメントを伝えると「自分は悔しい。悔しいだけです。勝って終わりたかったです」と、この日の結果に心底残念そうだった。

「相手のスタジアムの雰囲気に呑まれそうになったんですけれど、(後半8分に失点してから)ちょっと盛り返してチャンスも作ったなかで負けてしまったので悔しい。いい形で仕掛けられる場面が前半少しだけありましたが、それからは全然なかった…」

 猛烈な応援を背に、圧倒的に攻め立てたトゥエンテのシュートは25本。スパルタの放ったシュートは9本だけだった。ホームサポーターが歌う『地獄へようこそ』のチャントがピッタリの雰囲気だった。

 それでも、後半16分には斉藤がバイタルエリアから強烈なシュートを放ち、GKウナースタルのファンブルを誘ったり、その1分後には斉藤が角度のないところからシュートを撃ったりするなど、スパルタにも同点に追いつくチャンスはあった。
 
 今シーズン、キャリアハイとなる7ゴール・5アシストを記録したことを踏まえ、斉藤は語る。

「シーズンを振り返ると最後のほうで結果を残せたという感じがありますが、ホントに大事な場面で結果を残したい。今日のように得点が欲しい場面とか、雰囲気をガラッと変えられるような選手になりたいです」

 そのためには確実にゴールを仕留めることに加え、一発のビッグプレーも要求されるのではないだろうか?

「そうですね。一発のビッグプレーで流れを変えることもできるし、そこで点を取ってしまえばチームもすごく助かる。そういうことができればより重宝される選手になると思うので、そういうところを突き詰めていきたい」

次ページ「最初から活躍して二桁ゴールを取りたい」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事