移籍専門記者による強化部門解説|パリ・サンジェルマン編「レオナルドが敷いた路線を踏襲する」

2015年12月30日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

アシスタントだったレタンが強化の実権を握りつつある。

12年9月にパリSGに招聘されたレタン(左)は、13年夏のレオナルド退任後、その路線を踏襲しながら強化の実権を握りつつある。(C)Getty Images

 2013年夏にスポーツディレクターを辞任したレオナルドが、その後も実質的な形で強化に関わっていると噂されてきた。
 
 しかし現在は、当時そのブラジル人の右腕を務め、アシスタント・スポーツディレクターの肩書きを今も保つオリビエ・レタンが、強化の実権を握りつつある。
 
 元プロ選手で、06年からスタッド・ドゥ・ランスのゼネラルディレクターを6年間務めたレタンは、代理人やクラブとのネットワークを維持し、移籍交渉の窓口として機能している。
 
 とはいえ、基本的な強化戦略は今もレオナルドが敷いた路線を歩んでおり、大きな変化はない。前任者の下でチームの骨格を固めた後は、ピンポイントで着実に戦力の質と厚みを増していくという筋の通った補強戦略を進めている。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※『ワールドサッカーダイジェスト』2015.11.19号より加筆・修正
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。父は70~90年代にナポリ、ジェノア、レッチェなどで監督を歴任し、現在はTVコメンテーターのジャンニ・ディ・マルツィオ。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。父を通して得た人脈を活かしてカルチョの世界に広いネットワークを築き、移籍マーケットの専門記者という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。発信するニュースはすべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではない。
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