HT投入で流れを呼び込む!浦和MF岩尾憲が今季初の途中出場で試みた攻撃の狙い「ミスマッチを作れると思っていた」

2023年06月05日 野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

「2トップの追い方と相手の4バックの適性で、ミスマッチを作れる」

後半開始から登場した岩尾。(C)SOCCER DIGEST

[J1第16節]浦和0-0鹿島/6月4日/埼玉スタジアム2002

 浦和レッズは6月4日にホームで開催された鹿島アントラーズ戦で、0-0で引き分けた。前半は相手の圧力を受けて劣勢だったが、後半はボールを握る展開に持ち込んだ。流れを変えるきっかけの一つが、ハーフタイムでの岩尾憲の投入だった。

 35歳MFは、守備では的確な位置取りでセカンドボールを次々に回収。さらに、長短織り交ぜた正確なパスを駆使して、攻撃のタクトを振るった。

 この鹿島戦では、今季のリーグ戦で自身初のベンチスタートだった岩尾。前半は「自分たちのプランと、実際にピッチ上で起きている出来事を、自分なりの頭で分析して、状況を把握しようと見ていた」。

 高い位置から確認していたわけではないため、「正しいかは言及しにくいところがある」としつつ、こう振り返った。

「良くないシーンだけではなくて、良い形で(ボールを)運べるシーンもあった。良し悪しというか、適切か適切じゃないかでは、もう少し改善の余地というか、相手にとって嫌なこともできるのかなと、見ながら感じていた」

 そして後半開始からピッチに立つと、「2トップの追い方と相手の4バックの適性のなかで、ミスマッチを作れると思っていたので、やろうとした」という。攻撃の狙いを明かす。
 
「(アレクサンダー・)ショルツから『3枚で回して右を使いたい』とリクエストがあった。右(サイド)は、うちのストロングとしている」

 CBのショルツとマリウス・ホイブラーテン、ボランチの岩尾の3人が、良い距離感でボールを動かし、打開を図る。

「自分からロングボールで相手のブロックを動かすのと、シンプルに相手の2トップを3対2で剥がして、ショルツにドリブルで運んでもらって右サイドを制圧する使い分けは、そんなに悪くはなかった」

 一方、左サイドでは効果的な攻撃ができなかったとして、「自分の配球やポジショニングも含めながら、自分だけではなくて、左サイドの選手とコミュニケーションを取りながら、もう少しクオリティが上がってくると、迫力のある攻撃ができる」と見立てた。

 流れは掴んだものの、ゴールをこじ開けるまでは至らなかった。「自分がどうにかチャンスを作ってスコアを動かしたい気持ちを、強く持って臨んだ。残念ながら結果は出なかったけど、姿勢は今後も続けていきたい」とまとめた。

 浦和が誇る中盤の要である岩尾は、途中出場でも輝きを見せた。

取材・文●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

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