【林陵平が選ぶJ歴代ベスト11】ストイコビッチは僕のアイドル!! 家長のキープ力は現役選手の中で一番

2023年05月31日 金子 徹(サッカーダイジェスト編集部)

長友は身体能力が高く、1対1も強い

林氏が選出したJ歴代ベストイレブン。(C)SOCCER DIGEST

 今季で30周年を迎えたJリーグ。多くの名プレーヤーたちが紡いだ歴史のなかで、最高の11人を選ぶなら誰か。ここでは、現役時代は東京Vや柏などでプレーし、現在は東京大の運動会ア式蹴球部の監督を務める林陵平氏に、歴代ベストイレブンを選出してもらった。
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 基本的に一緒にプレーした、あるいは対戦した選手の中からベストイレブンを作りました。

 FWはレアンドロ、大黒さん、レアンドロ・ドミンゲスの3人。レアンドロはシュート技術が高くて、ポストプレーもできるし、スピードもあって背後を取るのも上手かった。なかなか止められない、まさに"完璧"なアタッカーでしたね。

 ゴールを取るための動き出しやポジショニングという部分では、大黒さんの右に出る選手はいません。レアンドロ・ドミンゲスはボールを取られないし、自らターンして前を向き、シュートかパスか、最も効果的な判断を下す能力に長けていました。
 
 中盤で選んだストイコビッチは僕の少年時代のアイドルです!! 雑誌の切り抜きを集めたり、部屋にはポスターも貼っていました。彼の右足一本で局面を打開するプレーや、左からゴール方向に巻いて蹴るプレスキックにはいつもワクワクしていましたね。

 レイソル時代、ロッカールームの前で名古屋の監督だったストイコビッチと握手をさせてもらいました。プロサッカー選手になったとはいえ、まさかJリーグの舞台で会えるとは思っていなかったので、あの時は少年に戻っていたと思います(笑)。
 
 家長は、ボールをキープする能力は現役選手の中で一番だと思います。アンカーの遠藤選手も基礎技術が高く、歴代の日本人Jリーガーの中でナンバーワンと言っても過言ではないです!!

 大学の同期だった長友は身体能力が高く、1対1も強い。レイソル時代のチームメイトだった酒井の高速のアーリークロスは一級品です。
 
 センターバックは中澤選手と闘莉王選手。ふたりとも対人能力に優れているのは誰もが知るところだと思いますが、中澤選手は間合いの取り方や駆け引きが上手でした。闘莉王選手は空中戦の強さが半端なくて、空間認知能力も高いので、ボールが落ちるところのポジション取りが早かったです。キャプテンシーもあるし、味方にいたら嬉しいですけど、対戦相手としては嫌な選手でしたね(笑)。

 ゴールキーパーは菅野君。ヴェルディの下部組織で一緒で、レイソルでも一緒にやりましたけど、シュートストップや判断、ビルドアップ技術が高いです。あと、とにかくストイックなので、その姿勢はチームメイトにも良い影響を与えるはずです。

 監督はロティ―ナさん。ヴェルディで1年間指導いただきましたが、戦術はもちろん、トレーニング方法などにおいても独自の哲学を持っている方でした。

 守備は後ろの5人、攻撃は中盤より前の6人に任せて、ボックス内で大黒選手が仕留める。強いチームだと思います。安定感はないかもしれませんが、爆発力があり、カップ戦向きです。ワクワクするメンバーだと、自信を持って推せます!!

取材・構成●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

※サッカーダイジェスト2023年5月25日号から転載。一部加筆・修正。

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