【矢野貴章が選ぶJ歴代ベスト11】引退した選手に絞ったけど…ヤットさんは30年の歴史を考えたら外せない。中山さんはお手本であり憧れ

2023年05月30日 サッカーダイジェスト編集部

ナラさんが後ろにいてくれる安心感

矢野が選出したJ歴代ベストイレブン。(C)SOCCER DIGEST

 今季で30周年を迎えたJリーグ。多くの名プレーヤーたちが紡いだ歴史のなかで、最高の11人を選ぶなら誰か。ここでは、栃木のFW矢野貴章に歴代ベストイレブンを選出してもらった。
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 30年の歴史を考えると素晴らしい選手がたくさんいるので、何を基準にしたらいいか悩みましたが、自分の肌で凄さを感じた選手を選びました。外国籍選手まで幅を広げると、それこそ決まらないので、今回は日本人でかつ現役を退いている選手に絞っています。

 GKはナラさん(楢崎)。FWとして対戦した時の印象はもちろん、自分が名古屋時代にサイドバックをやった時は、後ろにいてくれる安心感がありました。
 
 3バックの中央は闘莉王選手。止める、蹴るの技術の高さや戦術眼に加え、シュートも上手い。攻撃も守備も質が高かったです。右の佑二さんは対人守備が強い。守るエリアの広さにも驚きました。

 左の阿部選手はボランチに入れるか迷いましたが、気の利いたポジションが取れ、奪ったボールを確実に繋げられるので、守備陣にいたら心強いです。
 
 中盤の右は中村俊輔選手です。僕が言わなくても、皆さんも感じていると思いますが、フリーキックはもちろん、あの左足のパスは攻撃に"違い"をもたらします。逆サイドは三都主選手。ワールドカップ日韓大会やエスパルス在籍時の上下動や推進力、突破力はインパクトが大きかった。

 トップ下はJリーグ歴代ナンバーワンの得点数を誇る大久保選手。ゴールへの嗅覚が鋭いし、ひとりでも強引に奪う力を持っていますよね。

 ボランチは中村憲剛選手とヤットさん(遠藤)のふたり。前者は、その体勢でそこが見えるの? と感じるくらい、FWが欲しいところにパスを出してくれる。

 後者は、冒頭で引退した選手と言っておきながら、例外として選ばせていただきました。30年の歴史を考えたら外せないですね。ヤットさんのプレーを見ると、パスの出し方や強弱など、基礎の大事さを改めて感じます。

 フォワードは、学生時代によく見に行った磐田の高原選手と中山選手にしました。代表でも一緒にやらせていただいた高原選手の、足もとで収めて味方が上がる時間の作り方、ゴール前での冷静なプレーは勉強になりました。

 身体を張ったり、最後まで諦めない中山さんのプレーは、学生ながら感動しました。自分もそういう選手になりたいと思ったし、今にもつながっています。僕のお手本であり、憧れの選手です‼

 そして監督は、このタレント集団をまとめられるという視点でオシムさん。

 この11人なら、どんな形からでも得点が取れそうな気がします。超攻撃的なメンバーですね。ディフェンスは後ろの3人とナラさんがいるので、きっと守ってくれます(笑)。

取材・構成●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

※サッカーダイジェスト2023年5月25日号から転載。一部修正。

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