「悔しいですね」三笘薫は“早くやりたかった”マンC戦のドローをなぜ悔やんだ? 幻ゴールのハンドの認識は「ちょっとありました」【現地発】

2023年05月25日 井川洋一

ペップは「私たちの力を高めてくれる相手だ」

ゴールに続いてアシストが取り消された三笘。(C)Getty Images

 真のトップレベルの"師弟対決"──。ブライトンのロベルト・デ・ゼルビ監督が敵将をメンターと崇めれば、マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督はこの後進を「過去20年でもっとも影響力のある指揮官のひとり」とまで賞賛する。

 そんな二人の率いるチームが激突した一戦は、これ以上ないほどに白熱し、90分があっという間に過ぎていった。すでにリーグ優勝を決めたチームと、欧州カップ戦の出場権を獲得したチームの対決は、ともすれば、退屈なものになる可能性もあったかもしれないが、それは杞憂に過ぎなかった。

 見どころがたっぷりつまった1-1のドロー。試合後の会見では、先に登壇したシティのグアルディオラ監督に、「今季最高の試合のひとつでした」と最初の質問者が言った。その後、別の記者がブライトンと対戦したことは、シティにとっても有益なものでしたかと問うと、シティの指揮官はこう応えた。

「まったくもってその通りだ。(ブライトンは)私たちの力を高めてくれる相手だ。我々はこんな試合を必要としていた」

 そんな舞台に立った唯一のアジア人選手、三笘薫は待ちに待ったシティ戦(10月のアウェー戦は負傷欠場)を次のように振り返った。

「早くやりたかったので、すごく嬉しかったですけど、勝てるチャンスがあったので、そこは悔しいですね。メンバーを変えましたけど、勢いはありました。みんな、やってやろうという気持ちがあったと思います」

【動画】「神の手」「トライとか、ちょっと笑ってしまった」と反響!三笘の幻ゴール
 25分にフィル・フォデンに先制されたものの、その5分後に三笘が相手ゴール前で胸でシュートを放ち、そのこぼれ球を身体ごと押し込んで同点にしたように見えたが、VARでハンドが確認され、ノーゴールに。

「(ハンドの認識は)ちょっとありましたけど。決め切らないといけないですね。フリオ(・エンシソ)は素晴らしいミドルシュートを決めたので、そこは見習っていかないと」

 そう三笘が話したように、38分にエンシソが途轍もない一発を右のトップコーナーに突き刺した。先月のチェルシー戦でも似たような一撃を沈めている19歳のパラグアイ代表が、またしても強豪を相手に勝点に繋がるゴールを挙げた。

 そしてこの日の勝点1により、ブライトンは来季のヨーロッパリーグへのチケットを、最終節を待たずに手にした。

「チャンピオンズリーグを狙えたなかで、その悔しさはありますけど、ヨーロッパリーグを確定できたのはすごくよかったです」

 来季の去就はまだ確定していないが、試合前日の会見でデ・ゼルビ監督は、「ミトマ? 来季も絶対にここにいると思う」と言った。

グアルディオラ監督が「特別なチーム」と称えるブライトンが初めて欧州に船出する来シーズン、楽しみは尽きない。

取材・文●井川洋一

【動画】「まじかよ」「惜しすぎるうううう」とファン悲嘆!三笘、悔しい幻のアシスト

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