内田篤人が助言「ボランチとサイドバックでは競技が違う」。進境著しい山根陸は不測の事態を想定し準備を進める【U-20W杯】

2023年05月23日 松尾祐希

SBでは「スピードが重要になる」

セネガル戦では途中出場の山根。堅実なプレーで勝利に貢献した。写真:松尾祐希

 内田篤人ロールモデルコーチから受けた助言は、山根陸(横浜)の脳裏に焼き付いている。

 U-20ワールドカップが5月20日にアルゼンチンで開幕し、冨樫剛一監督率いるU-20日本代表は、21日の初戦でセネガルを1-0で下した。グループステージ突破に一歩前進し、24日のコロンビア戦の結果次第では、イスラエルとの最終戦を待たずにノックアウトステージ進出が決まる。

 山根はセネガル戦の後半開始からピッチに立ち、初の国際舞台で多くのことを感じ取った。

 本職のボランチでプレーし、守備に奔走。後半途中からは4-3-3のアンカーとして大柄な相手に真っ向勝負を挑んだ。攻撃面では特長をあまり出せなかったが、守備では相手の間合いを考えながらプレー。押し込まれた時間帯が続くなかで相手に寄せ切れない場面もあったが、与えられたタスクを全うした。

 一夜明け、取材に応じた山根は、すでに次のコロンビア戦に気持ちを切り替えていた。相手の印象についてもまだ完璧に分析したわけではないが、こう話す。

「南米らしいチーム。まだしっかり見ていないですけど、昨年6月のモーリスリベロトーナメントで対戦した経験があるし、際の部分は来るし、激しさもある。そのなかで自分たちが何をできるか。組織的に戦わないといけないし、セネガルに勝ったから安心ではなくて、次の試合が大事」

 そうした状況下で、山根は出場機会を虎視眈々とうかがっている。それは本職のボランチでプレーすることだけではない。右SBとしての起用も含めて準備を進めている。
 
 特に今大会は21名で挑んでおり、不測の事態が起これば、異なるポジションでのプレーが求められるかもしれない。所属クラブで右SBとして出場機会を増やしている山根に白羽の矢が立ったとしても不思議ではない。

 本人も想定しており、日本を代表する右SBだった内田コーチからもアドバイスを受けた。「(国際舞台で戦う際に)守備対応はどうすればいいんですか?」と山根は尋ねると、このような答えが返ってきたという。

「ボランチとサイドバックでは競技が違う。それぐらい役割が異なるので、スピードが重要になる。(速さで勝負できない場合は)相手がスピードに乗る前にできることをやったほうがいい」

 つまり、相手が速さで勝負に出てくる前に手を打たなければならない。相手が嫌がる間合いに持ち込んだり、駆け引きでスピードに乗らせず、組織で守るといった策が求められるのだ。

 そうした助言を受け、山根は周りと連係しながら守る術を改めて頭に叩き込んでいる。もちろん、主戦場はボランチだが、いつ右SBでプレーする機会が訪れるか分からない。チームのために戦うべく、マリノスの成長株は地球の裏側でさらなる成長を目ざして戦い続ける。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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