「全員が勝ちにいくメンタルを持っている」3発完勝の浦和Lがリーグ制覇に一歩前進。次節、勝てば戴冠【WEリーグ】

2023年05月22日 西森彰

ピッチ上の選手たちは意思統一

清家(11番)の2得点など計3発。浦和Lが盤石の強さで千葉Lに完勝を収めた。写真:西森彰

[WEリーグ第19節]浦和L 3-0 千葉L/5月21日/浦和駒場スタジアム

 WEリーグ第19節の2日目、5月21日、優勝を目ざして首位を驀進(ばくしん)する三菱重工浦和レッズレディースは、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースを浦和駒場スタジアムに迎えた。前日に3位の日テレ・東京ヴェルディベレーザが勝利したため、浦和Lはこの試合に勝っても、今節の優勝はない。

 前節のノジマステラ神奈川相模原戦を4-0で制した千葉Lは、三上尚子監督就任後の戦績を2勝2敗6分。直近の8戦は無敗で、その中には優勝争いの一角、ベレーザとの引き分けも含まれている。対戦したチームの関係者からも、現在の千葉Lを相手にする難しさが語られており、浦和Lの独走ムードをストップできるか、注目の一戦だった。

 千葉Lは、首位チーム相手に一矢報いるべく、チームカラーとなっている堅守で立ち向かおうとした。「(立ち上がりから)アグレッシブにしっかりプレーして、失点ゼロで抑えて先制点、という入りをしたかった」と三上監督。浦和Lの楠瀬直木監督も、過去の対戦で、守りに入った時の千葉Lのしぶとさへの強い警戒心を語っていた。

 敵の策略にはまらないところに、今季の浦和Lの強さがある。千葉Lの4-4-2に合わせて、前線から守備をはめ込み、簡単にはボールを前に運ばせない。敵陣でのプレー時間を長引かせ、そこで発生するセットプレーからチャンスをつかむ。
 
 10分、右CKの場面でキッカーの猶本光は、ショートコーナーを選択する。そして、柴田華絵から、塩越柚歩とつなぎ、塩越のクロスを、ファーサイドの一角に潜り込んでいた清家貴子が決めた。

 千葉Lの三上監督は「セットプレーで、しっかりと対策しておかなければいけないところで失点」と悔やんだが、人に強いディフェンダーが揃っている千葉Lの堅城を崩すために、工夫してきた浦和Lのバリエーションを褒めるべきだろう。

 先制した浦和Lは、チェックがよりハードになってきた千葉Lのブロックを強引に突破しようとはせず、その外周あたりでボールを回す。

「相手がイメージよりも寄せが速く、足を出してくる強さがあったので、そこにちょっと戸惑ったかなという部分はあるんですけれども、自分たちも焦れずにボールを回し続けた。もちろん追加点は狙いながら」と清家。

 公式記録によると、この日の気温は27度を超え、湿度も36%と、プレーする両軍の選手にとってはややきついコンディションで、1点のリードは「無理にゴリゴリしなければいけない状況でもなかった」(清家)。ピッチ上のイレブンの選択は、意思統一されていた。

【画像】浦和Lの美しき"シンデレラガール"、塩越柚歩の厳選フォト特集!

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