バイエルンでの日々が成長を加速、福井太智がドイツ代表MFとのプレーで得た刺激。U-20W杯で真価発揮へ「日本を優勝させたい」

2023年05月19日 松尾祐希

「トップレベルの選手が集うチームなので、本当にプラスでしかない」

バイエルンでプレーする福井。U-20代表としてW杯へ挑む。写真:松尾祐希

 18歳でドイツの名門クラブに加わった男が、虎視眈々と主役の座を狙っている。

 現地時間5月21日にU-20ワールドカップの初戦を迎えるU-20日本代表。12日から開催地のアルゼンチンでトレーニングを積むなか、バイエルンに所属する福井太智が精力的なプレーでアピールを続けている。

 鳥栖U-18に所属していた昨年9月のU-20アジアカップ予選や11月のスペイン遠征に参加していたプレーメーカーにとって、今回のW杯は初の世界大会。並々ならぬ想いで参加しており、言葉からも意気込みがヒシヒシと伝わってくる。

「日本を優勝させたい。いずれはA代表に入ってワールドカップで優勝する。これが自分の夢でもあるので、この大会で優勝しないと次に繋げられない。優勝を目ざして頑張ります」

 最終予選を兼ねた3月のU-20アジア杯はクラブ事情で参加できず、悔しい想いを味わった。

「素直にみんなを応援していましたし、ワールドカップの出場権を掴めないと、自分にチャンスが巡ってくる可能性もなくなってしまう」

 仲間に想いを託した一方で、自身も映像を見ながらプレーのイメージを膨らませていたという。

「ボールを受けて、ゲームをコントロールする。この部分は自分の中でも考えながら見ていた」
 
 福井の良さは豊富な運動量と強度の高いプレー。そして、試合の流れを読む"眼"にも定評がある。自身の武器は渡独後も磨いており、鳥栖でプレーしていた時よりもさらにレベルアップした。バイエルンではセカンドチームを主戦場とし、合流直後からレギュラーとして活躍。異国の選手と毎日のようにプレーし、自身の武器がさらに磨かれた手応えはある。また、トップチームのトレーニングに複数回参加した経験も、福井の成長を加速させる一因になった。

「トップレベルの選手が集うチームなので、そういう環境でプレーさせてもらっているのは本当にプラスでしかない。そういう場所でプレーできる選手はなかなかいないので、その時間はとても濃密でしたね」

 世界を代表するような選手が揃うトップチームでは、多くを学んだ。特に大きな影響を受けたのがドイツ代表のMFレオン・ゴレツカ。寄せの速さや強度の高いプレーは世界トップクラスのレベルで、最高のお手本から直接学べた経験は何ものにも代え難い。

 目ざすは日本初の世界一。U-17日本代表では、2021年に開催されるはずだったW杯が中止になっており、今大会にかける想いは強い。

「この大会のために今までやってきたという気持ちがある。最終予選を兼ねたアジアカップには行けなかったので、その分もチームのために戦いたい」としつつ、「自分がドイツに渡ってから何が成長したのかを自分自身でも感じたい」と話す福井は、開幕を今や遅しと待つ。

 さらなるステップアップを目ざす俊英は自身の価値を示すべく、初戦のピッチへ向かう。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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