「彼らのためにすべてを懸けたい」約5年ぶりゴールの主将・喜田拓也が語ったマリノスファミリーへの想い

2023年04月30日 金子 徹(サッカーダイジェスト編集部)

「すべての勝敗の責任を背負うつもりでピッチに立っています」

ボランチでフル出場し、チームを引っ張った喜田。(C)SOCCER DIGEST

[J1第10節]横浜1-1名古屋/4月29日/日産スタジアム
 
「あれだけみんなが僕のゴールを喜んでくれるのは、心にくるものがありました」
 
 名古屋グランパスをホームに迎えたJ1第10節で、実に約5年ぶりとなるゴールを奪った横浜F・マリノスの喜田拓也は、試合後にそう振り返った。
 
 1点ビハインドで迎えた72分だった。左サイドでこぼれたボールを拾ったエウベルが、ペナルティエリア中央にグラウンダーでクロスを送ると、喜田が左足で合わせて流し込んだ。2018年5月5日のアウェー名古屋戦以来のゴールに、そして上位争いをする名古屋に追いついた試合展開に、会場が沸いた。
【動画】マリノス喜田が同点弾! 前田大然も祝福!
 力強いガッツポーズで喜びを爆発させたように、きっと誰よりも嬉しかったはずだ。それでも喜田は、「(シュートを決めた)あの時は、後ろに残っている選手もいれば、リスクマネジメントをしている選手、走ってスペースを作ってくれた選手もいます。そういった意味でみんなのゴールだと思うので、あくまで最後に僕がいただけ」と、チームメイトへの感謝を述べる。
 
 得点シーンについては、「エウベル選手が中を見た時に、"くる"という感覚はありました」とし、「あとは入っていくスピードだったり、相手に当てないようにインパクトするところは気をつけました。コースも見えていたので、いったかなと思いました」と語った。
 
 プロ11年目の喜田は、これで通算3得点目。J1リーグには223試合に出場しているだけに、決して多くはない。本人もこの現状を、「ただただ力が足りない、シンプルにそれだけです」と真摯に受け止める。
 
 一方で、「これまでやってきた自分の仕事に後悔はなくて、自分たちのやっていることや内容にもこだわってアタッキング・フットボールを作ってきました。(今日の得点は)僕自身というより、チームの何かのきっかけになれば。次に繋げたい」と続けた。
 
 そして、マリノスファミリーへの想いも明かした。
 
「マリノスのチームメイトやスタッフ、ファン・サポーターと戦えるのは嬉しいし、みんなが大好きなので、いつも思っていることですけど、彼らのためにすべてを懸けたい」
 
「すべての勝敗の責任を背負うつもりでピッチに立っています」と話す喜田。チームの先頭に立って引っ張るトリコロールの背番号8が、リーグ2連覇に導いてくれるはずだ。
 
取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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