「祭りなんてバカなことをしている余裕はない」“即訂正”した久保建英の発言をベティスサポが批判!ソシエダ番記者は苦言「否定的な見方しかできないのは…」【現地発】

2023年04月29日 ミケル・レカルデ

懐疑派の声を完全に封じ込めることは不可能

フル出場したベティス戦では終盤に疲労の色を見せた久保。(C)Getty Images

 ラ・リーガではどこのクラブにも否定的な見方しかできないファン層が必ずと言っていいほど存在する。スペインのフットボール文化が抱える問題の一つと言っていい。

 彼らは応援しているチームに所属しているにもかかわらず、特定の選手を批判し、軽蔑し、面と向かって嘲笑することすらある。だからこそ、昨夏、歓迎ムードが盛り上がらない中で加入しながら、瞬く間にファンの心を鷲掴みにしたレアル・ソシエダのタケ・クボ(久保建英)の功績は特筆に値する。

 もちろん懐疑派の声を完全に封じ込めることは不可能だ。実際、チュリ・ウルディンのファンの間には「チャンスを生み出すことができている。ただその割に得点が少ない。もっともおかげでソシエダでプレーしているんだけどね。これで決定力が備わっていれば、マドリーやバルセロナでプレーしているはずだ」といった皮肉を込めた指摘は存在する。

 質が悪いのは、こうして目立った活躍を見せ始めると、ビッグ2にリンクさせる風潮だ。これまたスペインのフットボール文化が抱える問題の一つだ。ましてやマドリーとバルサの両クラブに所属した経験があるタケは、格好のネタになる。シーズンが開幕した後も、マドリー寄りのメディアがまず復帰の噂を煽り、続けてバルサ寄りのメディアがクラブの補強リストに挙がっていると報じた。
 
 もっとも、ソシエダのファンは安心していい。タケは昨夏、2027年6月までの長期契約を結んだ。その際にマドリーが手にすることができたのは優先交渉権のみだ。ソシエダがタケの売却を決断した場合、マドリーはその情報を事前に得る権利を持ち、同等以上のオファーを提示すれば買い取ることができる。

 選手としての権利は、100%ソシエダに帰属し、マドリーが復帰を望むのであれば、オファーを出し交渉しなければならない。一方的に2年のレンタルを打ち切る形で、マドリーに復帰したマルティン・ウーデゴーのケースとの違いでもある。

 確かにソシエダは昨夏、600万ユーロを投じて保有権の50%を取得するにとどまった。残りの50%はマドリーが維持している。ただこれはあくまで金銭面での話で、しかも多くのメディアが報じていないのは、この50%という数字は400万ユーロからカウントされるという事実だ。例えば3000万ユーロで他クラブに売却した場合、ソシエダには1700万ユーロ、マドリーには1300万ユーロが懐に入る仕組みになる。

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