「タケは僕のお気に入り。素晴らしい補強だった」ライバルFWも絶賛する久保建英。“扱いにくい選手”というレッテルは過去のもの。「特別な存在だ」【現地発】

2023年04月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

「今シーズンの活躍ぶりには驚いていない」

チームメイトから賛辞が贈られた久保。(C)Getty Images

「タケのことは以前から知っていた。だから今シーズンの活躍ぶりには驚いていない。僕のお気に入りの選手だ。ビジャレアルとヘタフェに所属していた頃に、能力を疑問視されたことはあったけど、ドリブル、1対1の仕掛けからチャンスを作り、ボール奪取能力にも長ける。しかもまだまだ若い。(レアル・)ソシエダにとって素晴らしい補強だ」

 タケ・クボ(久保建英)をこう称賛するのは、前線のポジション争いのライバルでもあるカルロス・フェルナンデスだ。2021年1月にレアル・ソシエダに加入して以来、故障続きで本領を発揮できていないが、グラナダに在籍した2019-20シーズンに11ゴールを叩き出した実績を持つストライカーだ。

 C・フェルナンデスが評価するのはプレーだけではない。その人柄にも魅了されていると明言する。

「みんな楽しい奴ばかりでね。ドレッシングルームの雰囲気はいつも良好で、笑いが絶えない。その中でもタケは特別な存在だ」

 タケのこのムードメイカーぶりはマルティン・スビメンディも、「タケは(アレックス・)レミロと並んでチームで最もダンス好きだ」と認めている。

【動画】クロスを冷静に流し込む!久保がヘタフェ戦で決めた偉業達成弾
 C・フェルナンデスとスビメンディをはじめチームメイトの間ではタケを「ナイスガイ」と称賛する声が相次いでいるが、面白いのは、ソシエダに加入するまで、スペインサッカーにおけるイメージは必ずしもポジティブとは言えなかったことだ。

 ビジャレアル時代には出場機会を求めて加入後、わずか半年に移籍を志願した。しかしその渡った新天地のヘタフェでもスタメンでプレーしたのは全18試合出場中8試合にとどまった。

 マジョルカへの2度の1年間の期限付き移籍も含めて、こうしてレンタル先を転々としているうちにいつしかタケは「扱いにくい選手」というレッテルを貼られた。しかし、それはあくまで外から見たイメージに過ぎなかったことが、ソシエダのチームメイトの声が証明している。

 イマノル・アルグアシル監督の「采配ミス」の声が殺到したヨーロッパリーグ(EL)ラウンド16のローマ戦第2レグの先発落ちを巡る論争についても、当のタケは悔しさを覗かせながらも、大人の対応を見せた。

「プレーするつもりだったので、傷つかなかったと言えば嘘になる。僕はポジションを争うためにソシエダに来た。いま現在、重要な選手として認められているという手応えはある。ファンやコーチングスタッフは僕をとても愛してくれているから、彼らの信頼に応えようと思っている。今の調子であれば、プレーすると思っていた。でも、それは僕が決めることではない」

 タケはソシエダで心身ともに成熟し、スター選手への道を歩んでいる。

文●ミケル・レカルデ(ノティシアス・デ・ギプスコア)
翻訳●下村正幸

【動画】「キープ力すげーな」"4人包囲網"を突破した久保のキレキレドリブル

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