「楽でした」なぜ三笘薫は“予想外”だったチェルシーの対策を苦にしなかったのか。衝撃決勝弾の19歳同僚には「すごかった」「感覚的にやりやすい」

2023年04月16日 井川洋一

「シュートミスですけど…」

チェルシーを相手に堂々たるパフォーマンスを見せた三笘。(C)Getty Images

 チェルシーの本拠地スタンフォード・ブリッジで2-1の逆転勝利を収めると、ブライトンの三笘薫は喜びを爆発させた。

「毎試合、厳しい戦いが続きますが、まだまだ(欧州カップ戦出場権獲得の)可能性があるので、その意味で良い試合ができたと思います」

 今シーズンのプレミアリーグで最大の発見のひとりと評される25歳のアタッカーは、この日も得意のドリブルで敵陣を崩し、ゴールを狙った。最大のチャンスは26分、左から切れ込んで二人のDFをかわし、右足で放ったシュートだ。

「もう少し左を狙いましたが、ちょっと詰まって中に入ってしまいました。シュートミスですけど、(相手GKの)セーブは素晴らしかったですね」

【動画】三笘がチェルシー守備陣をズタズタに!キレキレの2人抜きドリブルからシュート
 敵将のフランク・ランパードはおそらく三笘の対策として、本来CBのトレボ・チャロバーをライトバックに起用した。本人としてもそれは予想外だったという。

「センターバックの選手がサイドバックだったので、裏を抜けられたくない意識が強いのか、なかなか距離を取っていた。だから簡単にボールを受けて、ドリブルをしながら考えてプレーできたので、楽でした。そこは非常に」

 13分にコナー・ギャラガーのシュートがDFに当たって決まる不運な先制点を許しても、ブライトンの面々はまったく気落ちすることはなかったように見えた。ピッチのすぐ近くの記者席からも明らかに状態の良さが伺え、ロベルト・デ・ゼルビ監督が「我々が信じるタイプのフットボール」を堂々と続けた。そして負傷交代さえも、追い風に変えてみせた。

 28分にジョエル・フェルトマンと代わったフリオ・エンシソ、39分にエバン・ファーガソンと交代したダニー・ウェルベックが、どちらもネットを揺らして逆転勝利の立役者となったのだ。

「途中で代わった選手が決めて、勢いをもたらしてくれました。これは大きいですし、それだけの選手層がある。誰が出ても同じサッカーができるので、監督も信頼して(交代を)決めていると思います」
 

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