【U-22日本 2-3 U-22ベルギー|採点&寸評】木村誠二が驚きのパフォーマンス。1得点の鈴木唯人は失点に絡むパスミスも

2023年03月28日 松尾祐希

攻勢を強めた後半に2得点

強豪ベルギーに善戦も、終盤の失点で悔しい敗戦。(C)Getty Images

[国際親善試合]U-22日本 2-3 U-22ベルギー/3月27日/ピナタル・アレーナ

 2024年のパリ五輪出場を目ざすU-22日本代表が欧州遠征を実施。3月28日にスペインのムルシアで、U-22ベルギー代表と対戦した。

 日本は前半から難しい戦いを余儀なくされる。開始5分に縦パスをカットされ、その流れから先制を許し、20分にはピッチ中央でバックパスを奪われると、中央から崩されて2失点目を喫す。

 2点ビハインドで迎えた後半は攻勢をさらに強め、54分にセットプレーから佐藤恵允が1点を返す。さらに64分、鈴木唯人の見事なドリブルシュートが決まり、試合を振り出しに戻す。

 だが、タイスコアで迎えた86分、自陣でのバックパスが相手に渡り、相手の突破を止められずに失点。2-3で敗れた。

 3日前のU-22ドイツ代表戦は2-2のドロー。今回の欧州遠征は1分1敗の戦績で終えた。

▼ベルギー戦のチーム採点と寸評
「5」

 前半の出来は、チームの立ち上げから最も悪く、全ての面でほぼ何もできなかった。相手の立ち位置に合わせた位置取りができず、ミスマッチを解消できないまま時間が経過。ふたつの失点もパスミスからだった。ドイツ戦からメンバーを大幅に入れ替えたとはいえ、看過できない内容だった。

 後半は持ち直し、3バックで主導権を掌握する。ボールが回るようになり、早い段階で同点に追いついた。以降も攻勢を仕掛けたものの、最終盤に痛恨のボールロストから失点。凱歌をあげることができなかった。
【動画】2点のビハインドを追いつくも…大岩ジャパン、ベルギー戦ハイライト
▼ベルギー戦の選手採点と寸評
GK
23 小久保玲央ブライアン 5.5
機敏な動きでシュートを防いだ一方で、ポジショニングの問題で反応できないシーンも散見。失点シーンは責められないが、改善の余地もあった。また、ビルドアップでも課題を残し、中長距離のパスが乱れる場面も。

DF 
2 中村拓海 5(32分OUT)
戦術的な理由で無念の前半途中に交代。システムが噛み合わず、1人で2人を見る形になったのは不運だったが、球際でアタックができずに緩慢な対応になるシーンが目立った。攻撃ではアイデアを見せていただけに、悔いが残る結果に。

DF
3 西尾隆矢 5
屈強なFWに果敢に挑むも、やや甘い対応が散見。3失点目も自身がボールを失ったことがきっかけで、守備の柱としては不満が残るパフォーマンスだった。ビルドアップではミドルレンジのパスで違いを作るも、前にボールを運べず。

DF
4 鈴木海音 5
前半は相手の背後から厳しく行くも、潰し切れずに大岩監督から何度か叱責を受けた。後半はやや改善されたものの、後手を踏む対応も見られ、安定感を欠く。ビルドアップでも課題を残し、もう少し前にトライするパスが欲しかった。

DF
21 加藤聖 5.5(80分OUT)
正確な左足のキックで佐藤のゴールをお膳立て。しかし、見せ場は多くなく、クロスを入れるシーンは限定的で、守備面でもパワー不足を露呈した。後半は左ウイングバックに入り、高い位置を取ったことで"らしさ"を出すシーンが増えたが……。

MF
6 川﨑颯太 5.5(HT OUT)
アンカーで起用され、パワフルなベルギーの中盤に真っ向勝負を挑む。潰し役としては及第点の出来で、守備面でできる限りのことはやった。だが、攻撃面では物足りず、ビルドアップの起点になり切れなかった。相手のプレッシャーに手を焼いたか、無難に捌くプレーが多かった印象だ。

MF
8 藤田譲瑠チマ 5.5
キャプテンマークを巻き、インサイドハーフで奮戦。しかし、ボールを受けてもなかなか前に行けず、戻すシーンも少なくなかった。後半は相手の出方を見ながら状況に応じて仲間に声をかけ続けた。
 

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