「俺、まだまだいけるやん」右肩上がりで成長する山田楓喜、欧州の舞台で結果を示して自信を深めたい【U-22代表】

2023年03月27日 松尾祐希

サッカー人生を変えた曺監督と長澤コーチとの出会い

ドイツ戦でまずまずのプレーを見せた山田。ベルギー戦での活躍にも注目が集まる。写真:松尾祐希

 今季でプロに入って4年目。京都でプレーする山田楓喜にとって、欧州で過ごす時間は特別なモノになっている。

 3月20日から始まったU-22日本代表の欧州遠征。大岩剛監督が率いるチームは21日にフランクフルトに入り、24日のドイツ戦は2-2で引き分けた。

 技術面でもフィジカル面でも相手に違いを見せられ、世界との差を痛感させられたのは間違いない。自分たちの現在地――。山田もその事実を突きつけられた1人だ。

 ブンデスリーガで技を磨く屈強な選手たちと対峙し、「どれだけ身体をぶつけられてもマイボールにできるし、キープもできる」と手応えを明かした一方で、「ルーズボールの時に身体を入れ切れなかった」と相手の上手さと強さに目を丸くした。

 だが、そうした経験も日の丸を背負って、異国の地に来ているからこそ。「ドイツとか激しいなかで、できるのもそう。日々違うチームでやっている選手がチームメイトなので刺激になる」と、普段とは異なる環境でのプレーに充実感を滲ませる。

 今思えば、昨季まではクラブでも代表でも満足いくプレーはできていなかった。プロ2年目まではリーグ戦の出場機会は0。ようやくプロ3年目の昨季に出番を掴み、序盤戦はレギュラーとして活躍する。

 すると、プレーぶりが大岩監督の目に留まり、5月に初めてパリ五輪世代のチームに名を連ねた。京都U-15に所属していた中学3年生以来の代表活動でアピールに成功し、6月のU-23アジアカップで追加招集ながらメンバー入りを果たす。

 しかし、大会後にチームに戻ると、出場機会が激減。9月以降は一度も出番がなく、シーズンを終えた。
 
 今季は3節から先発出場を続け、今回のU-22代表にも招集。ドイツ戦では4-2-3-1の2列目右サイドで先発出場し、相手のパワーに手を焼きながらも得意の左足を活かしながら上々のプレーを見せた。

 この1年で大きく変わった自身の立ち位置。右肩上がりで成長を続ける背景には、京都の曺貴裁監督や長澤徹ヘッドコーチとの出会いがあったという。

「1、2年目は試合に出ていなくて、去年から試合に出るようになった。1年目は曺さんたちがいない環境でプレーしたけど、ほんまに何もしてなかったんです。2年目になって新たな体制になり、曺さんと哲さんにも教わって、プロサッカー選手のあるべき姿を知った、午前中に練習したあと、僕はコーチを呼び出して練習するようになったんです。練習以外の部分でもサッカーをして、サッカー選手として生きるために1年間を費やした」

 曺監督と長澤コーチに出会い、大きく変わったサッカー人生。サッカーに向き合う姿勢はもちろん、プレーではデュエルに磨きをかけて努力を重ねてきた。

 昨季はその成果がわずかながら発揮でき、迎えた今季はさらなる成長を見据え、「今年はもっと自信を深めて、結果を残すシーズンにしたい」と意気込む。

 序盤戦でポジションを掴みつつあるなか、今回の欧州遠征は自身の成長を示す格好の舞台。ひとつ上のレベルで戦う経験は山田にとって、新たな刺激にもなっている。

「俺、まだまだいけるやん」。ドイツ戦では結果を残せなかっただけに、次のベルギー戦に懸ける想いは強い。ゴールで期待に応え、さらに自信を深められれば、自ずとさらなるステップアップも見えてくるはずだ。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)

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