首位陥落のI神戸。ショックや焦りは? キャプテンの三宅は「後半戦で全チームに勝っていければいい」と泰然の構え【WEリーグ】

2023年03月20日 西森彰

左右のSBの連係でゴールをこじ開ける

初代女王のI神戸と皇后者覇者のベレーザが対戦。1-1の痛み分けとなった。写真:西森彰

[WEリーグ第11節]ベレーザ 1-1 I神戸/3月19日/味の素フィールド西が丘

 WEリーグは折り返し地点手前の第11節を迎えた。3位の日テレ・東京ヴェルディベレーザは、首位のINAC神戸レオネッサを味の素フィールド西が丘で迎え撃った。

 現状、勝点6差でI神戸を追うベレーザにとって、直接対決で3ポイントを詰められるか、広げられるかは、逆転優勝に向けて死活問題。一方のI神戸も、勝点1差でピタリとつける2位の三菱重工浦和レッズレディースから首位の座を守るためにも、勝利を手にしたい。

 この両チームは、1月末に行なわれた皇后杯決勝でも対戦し、その時はベレーザがI神戸を4-0で破っていた。試合後に「差があった」と口にしていたI神戸の三宅史織だが、「あの試合での『差』とは、自分たちがやりたいことができなかったり、簡単なミスを相手に決められたりしたところ。相手は上手い選手が揃っているが、もともとすごい差があるかと言えば、そうではない」(三宅)。
 
 それを証明すべく、三宅らはベレーザの強力なアタッカー陣にしっかりと対応。ペナルティエリア付近までボールを持ち込まれても、ひるまない。「後ろにはヤマ(山下杏也加)がいるから、ファーを防いで、相手が狙ってくる股下も消して」(三宅)とコースを限定し、シュートをブロックする。前線も、皇后杯の後、再編成されたベレーザのビルドアップにプレッシャーをかけて、ミスを誘発すべくチャレンジも試みた。

 皇后杯では圧倒的に不利な状況下で、最後まで失点を防ごうと試みていたGKの山下杏也加は「今日は、みんなが自信を持って自分のプレーをしようというのが、後ろから見ていても伝わった」という。山下自身も、クロスをがっちりと処理して、制空権を相手に許さなかった。前半は0-0。

 後半に入り、時計が進むに連れて、どちらのチームにも疲労の色が出始める。67分、先手を取ったのはI神戸。ベレーザの守備網を縦に破った右SBの守屋都弥がクロスを上げると、中へ絞ってきた左SBの小山史乃観が、そこに合わせて先制点を奪った。

 練習していた形でゴールを奪った小山は「まだ自分で上手くできているとは思わない。結果を求められているのは分かっているし、練習から合わせていきたい」と語る。
 

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