永戸はレッドで、ベン・カリファはイエロー。同じような“肘→顔面”で異なるジャッジに家本元審判員が見解「難しい」「結果的に鋭角」

2023年03月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ベン・カリファ選手はボーダーにやや足りない」

広島戦で一発退場の永戸。家本氏は「レッドのボーダーになる」と持論を述べた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 DAZNの『Jリーグジャッジリプレイ』が4月6日に最新コンテンツを投稿。同3日に行なわれたJ1リーグ第3節の横浜対広島で起きた75分の事象を取り上げた。

 広島のGK大迫敬介のロングフィードに対し、左サイドのタッチライン際で広島の中野就斗と横浜の永戸勝也が競り合う。その際、永戸の左の肘あたりが相手の顔面と接触。VAR介入とオンフィールドレビューの末、永戸にはレッドカードが提示された。

 このシーンとの比較で、65分、同じく大迫のロングフィードに対し、広島のナッシム・ベン・カリファと横浜の畠中槙之輔が競り合う。この時、ベン・カリファの左の肘が畠中の顔面をヒットし、イエローカードのジャッジとなった。

 2つの似たようなアクションで判定が異なったのはなぜか。番組に出演した元国際審判員の家本政明氏は「難しいですね」と切り出し、「最初に映像を見たら、何が違うのかな」という印象だったという。
 
 テクニカルな面に言及すれば、競技規則における「不用意か」「無謀か」「過剰な力か」をそれぞれ検証し、レッドカードかどうかの指標になる「過剰な力」に関して、家本氏は「やや永戸選手のほうがあるようには感じます」と私見を述べる。

 加えて、腕のどの部分が相手の顔に当たっているかについても説明。「先っぽで当たるのと、肘あるいは上のところで相手に当たるっていうのは、(上腕部あたりを指して)こっちのほうがパワーが強い」。その意味で、ベン・カリファは肘より前、永戸は肘から腕の部分が当たっている点に着目した。

 肘の向きもポイントで、相手に向けられたかどうかで、永戸は「ヘディングで飛んで、(肘を)曲げる時が結果的に鋭角な方向で当たる。力がより重く関わるところに当たっている。かつ勢いがある」と見る。

 こうした理由から「厳密に見ていくと、レッドカードとなるボーダーにこちら(永戸のプレー)はなる。ベン・カリファ選手はボーダーにやや足りない」とし、「現場の判断としては、イエローカード、レッドカードっていうのは、レフェリー目線で言うと、納得感というか妥当感は感じています」と見解を示した。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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