中断期の成長を感じさせた仙台L。再開初戦で首位のI神戸と五分に渡り合う「メンタル的にも必要な選手が帰ってきた」【WEリーグ】

2023年03月06日 西森彰

首位を迎え撃つ大一番、2,509人を集客

I神戸に惜敗の仙台L。再開初戦で勝点は得られなかったが、試合内容は明らかに良化している。(C)J.LEAGUE

[WEリーグ第9節]仙台L 1-2 I神戸/3月5日/ユアスタ

 約2か月のウインターブレイクを経て、WEリーグが再開された。抜け番のサンフレッチェ広島レジーナを除く10チームは、3月5日、5つのスタジアムに姿を現わした。

 ユアテックスタジアム仙台には、中断時点で首位を走る INAC神戸レオネッサと、3位で追いかけるマイナビ仙台レディースが対戦。試合開始直後と終了直前にセットプレーで2点を挙げたI神戸が、仙台Lを振り切り、首位を守った。

 ウインターブレイク後のリスタートとなるこの日のユアスタには、首位を迎え撃つ大一番とあって、2,509人の観客が入り、コンコースでは澤穂希氏、宮間あや氏、海堀あゆみ氏ら世界を獲ったレジェンドとの記念撮影コーナーには、長い列ができていた。

 そうしたなかで、ホームの仙台Lが、中断期間の成長を感じさせる戦いを見せた。試合開始直後の3分、セットプレーからWEリーグデビュー戦の筒井梨香に先制ゴールを許したが、その後は連覇を狙うI神戸と五分に渡り合った。
 
 前からプレスをかけようとすると、I神戸の最終ラインはロングフィードをFWに当ててひっくり返そうとする。中断前のゲームで、仙台Lは一度押し込まれると、そこから波状攻撃につなげられていたが、この日は、I神戸が得意とするダイレクトプレーをはじき返し、セカンドボールを回収し続けた。

 第4節で負傷退場した隅田凛が久々に戦線復帰し、チームの背骨にしっかりとした芯が通った。隅田が、古巣のことを知り尽くした中島依美とバランスを取り、優れた戦術眼、豊富な経験で攻撃のサポート、守備のカバーリングをこなし、中盤に安定感が生まれる。中間ポジションでプレーする宮澤ひなたが、守備に後ろ髪を引かれることなく、前を向いてプレーできる時間が増えた。

「メンタル的にも必要な選手が帰ってきたことで、チームの真ん中のところにポイントが置けた。守備も攻撃も一歩の出足とか予測で、特にこういうゲームで優位に立てた」と松田岳夫監督はその働きを評価した。
 

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