「明確な色がない。ベント監督のサッカーを継承できるのか」
独特のキャラクターを持つクリンスマン新監督。韓国代表との相性やいかに!? (C)Getty Images
現地月曜日、大韓サッカー協会(KFA)は韓国代表の新監督にドイツ出身のユルゲン・クリンスマン氏が就任すると発表した。契約期間は2026年北中米ワールドカップ終了までの3年5か月で、来週早々にも来韓して就任会見に臨むという。
そして翌日には、同じくドイツ人で、KFAの代表強化委員会で最高責任者を務めるミヒャエル・ミュラー委員長が会見を行なった。そこで語られた"人選の理由"があまりにも曖昧で、韓国の主要メディアから批判的な声が殺到している。
ミュラー委員長は会見の場で、61名の候補者リストから選定をスタートさせ、最終的には交渉相手を23名→5名→2名と絞り込み、クリンスマン氏に決定したと報告。重視したのは専門性、経験値、モチベーション、チームとの協調性、環境的な要因という5つのポイントで、そのいずれの条件も新指揮官は満たしていると話したが、詳細は説明はほとんどなされなかった。
もっともクローズアップされているのが、戦術面の力量よりも人間性を重視したというミュラー氏の発言だ。「まずは何よりも人間的な面を先に見るべきだと感じた。クリンスマン監督の場合、非常に強いキャラクターが魅力的だ」とコメント。記者に「戦術面よりも大事なのか?」と問われると、「サッカーは戦術だけではない。彼はチームを管理する能力に長けており、何よりもモチベーターである」と回答した。
さらにミュラー委員長は、クリンスマン新監督のモチベーションがすこぶる高かった点を強調。「彼自身が韓国代表監督の職に就くことを強く望んでいたことが大きい。我々と共に発展していこうという意欲が、他の候補者と比べてかなり大きかった」と、観念的な説明に終始した。
韓国放送局『KBS』は「就任前から懸念が少なくない」と指摘。「戦術よりも人間性に惹かれた? 疑問符を付けざるを得ない。コーチングスタッフも決まっていないなか、そもそもクリンスマン氏には監督しての明確な色がないため、(前任者であるパウロ・)ベント監督が推進したビルドアップを中心とするサッカーを継承できるのかどうかも、甚だ疑問だ」と断じた。
ちなみにミュラー委員長は戦術の継続性に関して、「誰かのスタイルを真似しようとするのではなく、韓国的なスタイルを作らなければならない。そう、"江南(カンナム)スタイル"のようにだ」とジョーク交じりに話している。
同じく放送局の『SBS』も懐疑的だ。「なんと曖昧な選定基準だろうか。クリンスマン監督のどの面が優れていて、どのようなビジョンを持っているかという説明がいっさいなかった。人間性を強調されただけだ」と突っぱね、「戦術面での造詣が乏しいのは明らか。疑問符はさらに大きくなった」と続けた。
そして専門メディア『Inter Football』はより辛辣だ。「あらゆる疑惑が解消されなかった」と言い切り、「選手としては伝説的なクリンスマン氏だが、監督としての能力が怪しいのは明白だ。韓国にワールドクラスの監督が来るとは期待していなかったが、実質7年間もブランクがある指導者で大丈夫なのか?」と投げかけた。
指導者としてのクリンスマン氏はドイツ代表、バイエルン・ミュンヘン、アメリカ代表を率いて辣腕を振るった。2016年11月から3年間の空白期間を経て、2019年11月にヘルタ・ベルリンの監督に就任したものの、たったの10週間で更迭の憂き目にあった。『Inter Football』が「実質7年間」としたのは、ヘルタ監督時代をカウントに入れていないためだ。
同メディアは続ける。
「彼はヘルタ監督時代にクラブ首脳部との合意もなく、勝手に自身のSNS上で辞任を発表した。そうした独断的な態度は有名で、彼がヨーロッパで好かれていない最たる理由だ。このようなリスクがある監督と契約するに当たって、KFAに十分な心構えはあるのか。もしクリンスマン監督が韓国サッカー史上初のSNS辞任をしてしまったら、いったい誰が責任を取るのか」
そして翌日には、同じくドイツ人で、KFAの代表強化委員会で最高責任者を務めるミヒャエル・ミュラー委員長が会見を行なった。そこで語られた"人選の理由"があまりにも曖昧で、韓国の主要メディアから批判的な声が殺到している。
ミュラー委員長は会見の場で、61名の候補者リストから選定をスタートさせ、最終的には交渉相手を23名→5名→2名と絞り込み、クリンスマン氏に決定したと報告。重視したのは専門性、経験値、モチベーション、チームとの協調性、環境的な要因という5つのポイントで、そのいずれの条件も新指揮官は満たしていると話したが、詳細は説明はほとんどなされなかった。
もっともクローズアップされているのが、戦術面の力量よりも人間性を重視したというミュラー氏の発言だ。「まずは何よりも人間的な面を先に見るべきだと感じた。クリンスマン監督の場合、非常に強いキャラクターが魅力的だ」とコメント。記者に「戦術面よりも大事なのか?」と問われると、「サッカーは戦術だけではない。彼はチームを管理する能力に長けており、何よりもモチベーターである」と回答した。
さらにミュラー委員長は、クリンスマン新監督のモチベーションがすこぶる高かった点を強調。「彼自身が韓国代表監督の職に就くことを強く望んでいたことが大きい。我々と共に発展していこうという意欲が、他の候補者と比べてかなり大きかった」と、観念的な説明に終始した。
韓国放送局『KBS』は「就任前から懸念が少なくない」と指摘。「戦術よりも人間性に惹かれた? 疑問符を付けざるを得ない。コーチングスタッフも決まっていないなか、そもそもクリンスマン氏には監督しての明確な色がないため、(前任者であるパウロ・)ベント監督が推進したビルドアップを中心とするサッカーを継承できるのかどうかも、甚だ疑問だ」と断じた。
ちなみにミュラー委員長は戦術の継続性に関して、「誰かのスタイルを真似しようとするのではなく、韓国的なスタイルを作らなければならない。そう、"江南(カンナム)スタイル"のようにだ」とジョーク交じりに話している。
同じく放送局の『SBS』も懐疑的だ。「なんと曖昧な選定基準だろうか。クリンスマン監督のどの面が優れていて、どのようなビジョンを持っているかという説明がいっさいなかった。人間性を強調されただけだ」と突っぱね、「戦術面での造詣が乏しいのは明らか。疑問符はさらに大きくなった」と続けた。
そして専門メディア『Inter Football』はより辛辣だ。「あらゆる疑惑が解消されなかった」と言い切り、「選手としては伝説的なクリンスマン氏だが、監督としての能力が怪しいのは明白だ。韓国にワールドクラスの監督が来るとは期待していなかったが、実質7年間もブランクがある指導者で大丈夫なのか?」と投げかけた。
指導者としてのクリンスマン氏はドイツ代表、バイエルン・ミュンヘン、アメリカ代表を率いて辣腕を振るった。2016年11月から3年間の空白期間を経て、2019年11月にヘルタ・ベルリンの監督に就任したものの、たったの10週間で更迭の憂き目にあった。『Inter Football』が「実質7年間」としたのは、ヘルタ監督時代をカウントに入れていないためだ。
同メディアは続ける。
「彼はヘルタ監督時代にクラブ首脳部との合意もなく、勝手に自身のSNS上で辞任を発表した。そうした独断的な態度は有名で、彼がヨーロッパで好かれていない最たる理由だ。このようなリスクがある監督と契約するに当たって、KFAに十分な心構えはあるのか。もしクリンスマン監督が韓国サッカー史上初のSNS辞任をしてしまったら、いったい誰が責任を取るのか」
2006年のドイツ・ワールドカップで母国代表チームを指揮した際は、頼れる右腕で戦術家のヨアヒム・レーブ氏が傍らで支えた。今回はまだ補佐役が決まっていないようだが、戦術面でのバックアップが万全でなければ、クリンスマン氏の"人間力"も活かされないだろう。前任者のベント氏が国内で厚い支持を得ていただけに、まるで個性の異なるクリンスマン氏に対して、現時点で韓国メディアからの評価は総じて低い印象だ。
カタール・ワールドカップではFIFA(国際サッカー連盟)のTSG(テクニカルスタディーグループ)の一員としてゲーム分析を担ったクリンスマン新監督。まずは就任会見でのコメントに注目が集まりそうだ。3月24日のコロンビア戦が、新政権のデビューマッチとなる。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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