トライアウトでまさかの決断。ほぼ未経験のCBでアピール。未来を切り拓いた栗原イブラヒム・ジュニアの覚悟

2023年02月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

ラストチャンスも挑戦の場。大きな賭けに出る

昨季限りで清水を契約満了となった栗原。トライアウトを経て、今季から相模原でプレー。写真:塚本凜平(サッカーダイジェスト)

 その男は最後にこう言った。「目標ですか? 開幕スタメンですね」。

 Jリーグの公式YouTubeチャンネルが2月27日、契約満了となったJリーガーの再起をかける挑戦の密着ドキュメント『トライアウト~プロサッカー選手であるために2023~』を公開した。

 物語の主役は、栗原イブラヒム・ジュニア、21歳。所属チームを契約満了になった選手たちが、新たな土地でサッカーを続けるための最後のアピールの場となる「トライアウト」。ラストチャンスにかける栗原を追った。

 2020年、栗原は三菱養和SCユースから清水エスパルスに加入。世代別代表の常連だったストライカーには確かな自信があったが、プロの世界は甘くはなかった。清水在籍の3年間、レンタル移籍を繰り返す。だが、いずれのクラブでも思うような成績を残せず。22年シーズン限りで清水との契約は満了となった。

 現役を続けるために、栗原は昨年末のトライアウトに参加。挑戦者たちは3つまで希望のポジションを選べるが、栗原は本来のFWに加えて、ほぼ未経験のCBも選択した。

「FW以外に、自分だったらどこをやれるかなと思って。いろいろプレーのイメージとか幅を広げた時に、CBもチャレンジしてみようかなと」

 大きな賭けに出た。「ラストチャンスかもしれないですけど、自分からしたら新しいチャレンジの場でもある」。まだ開いたことのない扉に手をかけた。

「自分の特長的にも、空中戦が強かったりとか、フィジカルが強かったりっていうのは、そこのポジションでも十分に通用する武器なので」
 
 結果的に、このチャレンジは吉と出た。今季からSC相模原で指揮を執る戸田和幸監督の目に留まり、新天地が決まった。

「単純に、パフォーマンスを見た時に、未来が見えるものだった。他の選手にはない、大きな特長もありますし、身体っていう意味でも。何より野心も感じたので」(戸田監督)

 清水の大先輩でもある指揮官のもと、栗原は新たな一歩を踏み出す。「自信だけで言ったら、めちゃめちゃあるんですけど、実際はそう簡単には上手くいかないと思う。1日1日が勝負なんですけど、とても楽しみな気持ちです」と意気込む。

 J3の開幕は3月4日。相模原はホームでガイナーレ鳥取と相まみえる。先発リストに栗原は名を連ねることができるか。そして、これまでの3年間とは異なる充実のキャリアを刻めるか注目だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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