【バイタルエリアの仕事人】vol.25 キャスパー・ユンカー|Jリーグで対戦して嫌だった相手、衝撃を受けた選手とは?

2023年02月28日 中川翼(サッカーダイジェストWeb編集部)

対戦して嫌だったチームは、名古屋

「どのチームにもどの試合にも勝つ可能性がある非常に競ったリーグだ」とJリーグの印象を語る。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第25回は、名古屋グランパスのFWキャスパー・ユンカーだ。

 前編では、開幕戦での移籍後初ゴールや名古屋への加入を決断した理由、ゴール量産の秘訣について語ってもらった。後編となる本稿では、3季目を迎えたJリーグでのプレーについて、また日本での生活や今季の意気込みを訊いた。

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 日本に来る前から、Jリーグのイメージは変わってなくて、どのチームにもどの試合にも勝つ可能性がある、非常に競ったリーグというのが特徴の1つだと思っています。どのチームもクオリティを持ったプレーをするので手を抜けない。手を抜いた瞬間にやられてしまう。どの試合に対しても全力で挑まなければ勝てないタフなリーグです。

 これまで対戦して嫌だったチームは、名古屋ですね。非常に守備の堅いチームでしたし、選手一人ひとりの能力も高い。ゴールマウスにはランゲラックがいるので得点を奪うのが難しいチームでした。
 
 おそらく浦和時代に3回ぐらい対戦したのですが、僕が迎えたチャンスは1回か2回ぐらいしかなく、フォワードとしては非常にプレーしづらかった印象です。逆にそのチームに加入できて良かったなと思っています(笑)。

 手強いと思う選手では、Jリーグには能力の高いディフェンダーが多くいるので、名前を挙げるのは難しいのですが、チームメイトになった中谷(進之介)ですね。彼は非常にハードなマークをしてくるので、試合中は本当に気が抜けなかったですし、自分が思うようなプレーができないという意味では非常にやりにくいディフェンダーでした。

 衝撃を受けた選手は、ヴィッセル神戸の(アンドレス・)イニエスタです。彼のキャリアがすべてを物語っていますけれど、チャンピオンズリーグもワールドカップでも優勝している。ピッチの上では絶対にボールを失わず、彼が試合を支配していて、全てを1人でやってしまう。偉大な選手だし、ベストな選手だと思います。

 イニエスタほど素晴らしく、あれだけのキャリアを持った選手はJリーグにはなかなかいないと思いますが、他に名前を挙げるなら、浦和の(アレクサンダー・)ショルツかな。一緒にプレーして彼の凄さは良く分かっていますし、チャンピオンズリーグでもプレーしています。いろんなチームに行っても、どのチームでもキャプテンを務める偉大な人間性を持った素晴らしい選手だと思います。
 

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