「入っとるやん、というのはある」元国際審判の家本氏が広島対札幌のノーゴール判定に見解「ヒューマンエラーだとは言い難い」

2023年02月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ゴールラインテクノロジー導入は投資対象としてリスキー」

元国際審判員の家本氏が広島対札幌の物議のシーンに見解を示した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 Jリーグは2月18日、J1リーグ第1節の広島対札幌(0-0)を実施。この試合の広島の決定機シーンがDAZNの配信番組『Jリーグ ジャッジリプレイ』で取り上げられ、ゲストで出演した元国際審判員の家本政明氏が見解を述べた。

 問題となっているのは74分のシーンだ。左CKから広島の川村拓夢が放ったヘディングシュートはGK菅野孝憲が左足でセーブ。ノーゴールの判定となったが、ゴールラインカメラのリプレイではラインを割っているようにも見える。しかし、結果的に判定は覆らず試合は続行された。

 この場面について家本氏は、「ポイントはラインを越えたかどうかをこのゴールラインカメラを使ってどう判断するか。はっきりと越えたというのは、ボールとラインの間に少しでも芝生の緑が見えるかだが、このアングルで見ると、間に芝が見えるんです。なので入っとるやん、というのはある」としたうえで、次のように問題点を指摘した。
 
「ただ、経験者から言わせてもらうと、VARが見ているモニターではカメラの画素が低く、ボールをアップしても画像が荒れてしまって分からないことがある。VARが使っている機材が、我々が見ている映像のようにクリアに見えないんです。なので、VARは自信を持ってゴールであるとレフェリーに言えなかったのではないか。ヒューマンエラーではなく物理的な問題があるのを理解していただきたいかなと思います」

 またJリーグにゴールラインテクノロジーを導入するべきではないか、という議論にも発展したが、家本氏は「ゴールラインテクノロジーを導入するのには相当なコストがかかる。投資対象としては高すぎてリスキー。それをするのであれば、ほかのカメラの精度を上げるほうが合理的だという判断だと思う」との考えを示した。

 家本氏は最後にも、「見解としては入っていると思う」としたうえで、「審判を擁護するつもりは全然ないが、これはヒューマンエラーだとは言い難いというのが経験者としての感想。コストで解決できる問題」と人為的ミスではないと強調した。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【動画】「入っとるやん」物議を醸した広島対札幌のノーゴール判定シーン

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