【広島】20ゴールの大台突破でクラブの外国人選手シーズン最多得点者に。前線に化学反応をもたらしたドウグラスの功績

2015年11月23日 小田智史(サッカーダイジェスト)

“ハシェック超え”を果たし、クラブの歴史に名を刻む。

先制点のひとコマ。ドウグラスと柴﨑(30番)が同時に飛び込んでいるが、柴﨑が上手く避けたことで、ゴールが生まれた。この直後には青山のスーパーミドルも決まり、押せ押せムードに。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 湘南戦の殊勲者は誰か。先制点の1分後に強烈なスーパーミドルを決めたキャプテンの青山、中山雅史氏の持つJ1通算157ゴールに並んだ佐藤。どちらも該当するだろう。ただ、この日のベスト・オブ・ベストを挙げるなら、先制点で流れを引き寄せ、自身2度目のハットトリックを達成したドウグラスを推したい。

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 ゴールラッシュの口火を切る一撃は、このブラジル人助っ人の左足から生まれた。24分、塩谷のロングフィードに抜け出したミキッチが、ゴールライン際から中央へマイナスのパス。そこに後方から走り込んだドウグラスがシュートを放ち、ボールはDFに当たって湘南ゴールのネットを揺らした。自身Jリーグで3度目、J1では初となる3試合連続弾を皮切りに、ゲームの流れは先制した試合では負けなし(18勝1分)の広島へ一気に傾いていく。
 
「ミキッチがパスをした時に、僕とコウセイ(柴﨑)がかぶっていたけど、彼が上手く避けてくれた。DFに当たって入ったゴールだけど、あれで流れを引き寄せ、勢いに乗って試合を進められた」
 
 こうなるともう、「絶好調男」の勢いは止まらない。先述の青山、佐藤に負けじと、72分に清水のクロスをダイビングヘッドで合わせ、シーズン20得点の大台を突破。ハシェックが持つクラブ記録(外国人選手のシーズン最多得点記録=19点)を塗り替えると、試合終了間際にはフィニッシャーとしてカウンターを締め括り、この日3点目を挙げた。
 
 最終的に、得点ランクでG大阪の宇佐美を抜いて2位(21)、第2ステージで決めた15ゴールはリーグトップの数字だ。本人は「シーズン前の目標として、10ゴールくらいを考ていたけど、まさかのその倍以上を取れるとは思っていなかった」と謙遜するが、キャプテンの青山は、ドウグラスの得点量産は必然だったと話す。
 
「ドグ(ドウグラス)にはシーズンインする前、『広島に来れば、絶対に点が取れる』と伝えた。周りのレベルが高いから、もっと良くなると。正直、思った以上だったけど、でもそれは彼の努力の賜物。僕たちも彼を認めてサポートした部分もあったし、お互いの信頼関係ができ上がった」

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