【採点寸評|川崎】失点招くパスミスの守護神、一発退場のCBは共に最低評価。戦術の核となり得る山根は及第点の出来[J1第1節 川崎1-2横浜]

2023年02月18日 本田健介(サッカーダイジェスト)

黒星発進も内容は“悪くはなかった”

【警告】川崎=シミッチ(90+5分) 横浜=水沼(41分)
【退場】川崎=ジェジエウ(87分)
【MAN OF THE MATCH】畠中槙之輔(横浜)

 節目の30周年を迎えるJリーグがついに開幕。2月17日、オープニングマッチとなる川崎フロンターレ対横浜F・マリノスの"神奈川ダービー"が行なわれ、昨季王者の横浜が2-1の勝利を収めた。

【PHOTO】川崎の出場16選手&監督の採点・寸評。敗れはしたが新キャプテンの橘田は抜群のプレー

 試合はいきなり動く。先制したのは横浜。開始4分、相手GKのパスをエウベルがヘッドでカット。こぼれ球に反応した西村拓真がダイレクトシュートでネットを揺らした。

 横浜はさらに38分、追加点を奪う。永戸勝也の左CKにアンデルソン・ロペスがヘッドで合わせ、ワンバウンドしたボールにエウベルが巧みに右足を合わせて押し込む。

 2点のビハインドを負った川崎は後半、さらに攻勢を強めるも、横浜の守備網をなかなか崩しきれない。終了間際に橘田健人が1点を返したが、反撃もそこまで。接戦を制した横浜が連覇に向けて好スタートを切った。
 
▼川崎のチーム採点「5.5」
"悪くはなかった"という表現がこの日の川崎を最も象徴しているように映る。覇権奪回を目ざす新シーズンに向けて、より"魅せるサッカー"を追求してきたチームは、右SBの山根視来を状況によってボランチのようにプレーさせる新システムでポゼッション率を高め、攻撃を展開したが、なかなかゴールに結びつけられなかった。

 一方で立ち上がりには果敢に回す意識が逆にチョン・ソンリョンのパスミスにつながり失点すると、攻め続けた後の38分にはセットプレーから被弾。詰めの甘さを見せ、相手のカウンターを受ける場面も少なくなかった。

 87分に裏に抜け出されたマルコス・ジュニオールをジェジエウが倒して、一発退場になったシーンも隙を突かれた格好と言えそうだ。

 後半アディショナルタイムに1点を返したが、攻守でよりブラッシュアップは必要だろう。指針は示したものの、理想とする形にはまだ遠い。悪くはないが……という言葉が、逆に課題をぼやかしている気もするだけに、今後の鬼木達監督の舵取りにも注目だ。

※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定したこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

【PHOTO】等々力競技場にかけつけた川崎フロンターレサポーターを特集!

【厳選ショット】西村、エウベルの2発で王者が白星発進!|J1第1節 川崎1-2横浜

【PHOTO】チームの歴史が一目でわかる!川崎フロンターレの「歴代集合写真」を一挙紹介!
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事