【EURO2016予選プレーオフ】明暗を分けた“次の1点”……ウクライナが連続出場へ――スロベニア 1-1 ウクライナ

2015年11月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

スロベニアにとっては悔いが残る後半からのスピードダウン…。

最後はクラベツからボールを“プレゼント”され、難なくゴールを決めたヤルモレンコ(7番)。この試合では攻撃だけでなく、最終ラインまで戻っての守備でも存在感を示した。 (C) Getty Images

 現地時間11月17日、EURO2016予選プレーオフの第2戦が行なわれ、スロベニアとウクライナは1-1のドロー。アウェーのウクライナが合計スコア3-1で、2大会連続2回目の本大会出場を決めた。
 
 試合は、第1戦を0-2で落としていたスロベニアが積極的に仕掛け、主導権を握る。攻撃では素早いパスワークで相手ゴール前まで迫り、守備では出足の速いチェックでボールを奪い取った。
 
 第1戦とは全く逆の展開で始まった試合は、11分に早くも動く。スロベニアのビルサが右サイドから上げたセンタリングをベジャクがヘッド、GKピアトフがセーブしたところをノヴァコヴィッチが詰める。これはピアトフがブロックするも、こぼれ球をチェサルが頭で押し込んでゴールネットを揺らした。
 
 一刻も早く欲しかった先制点を奪ったことで、スロベニアはさらに勢いづく。最終ラインから前線まで、ウクライナに対するプレッシャーを緩めることなく、次の1点を求めて波状攻撃を仕掛けていった。
 
 ボールを収めることができないウクライナは押し込まれ、最終ラインでスロベニアの攻撃を凌ぐ時間が続く。第1戦で抜群の破壊力を見せたコノプリャンカとヤルモレンコの前線両サイドも厳しくチェックされ、なかなか前を向くことができなかった。
 
 前半はこのまま終了。スロベニアがいかにペースを握っていたかは、第1戦では大忙しだったGKハンダノビッチが、この前半45分間で見せたセーブが開始直後のコノプリャンカのFK、27分にカンプルのパスミスによるセレズニョフのシュートぐらいだったことからも分かる。
 
 運命を決める次の1点がどちらに入るのか――。スリリングな後半が始まったが、前半に比べると、試合はいくらかスローテンポで進む。
 
 スロベニアがボールを持つ時間帯が長いのは前半と変わりなかったが、プレーのスピードが落ちたことで効果的な攻撃が仕掛けられず、守備でも前半ほどのプレッシャーを相手に与えることができなくなった。
 
 これでウクライナはボールを持てるようになり、48分には時間とスペースを得たコノプリャンカがドリブルからフィニッシュまで持ち込む(ハンダノビッチが好セーブ)。その後も何度か惜しい場面を作り、前半には一度も見られなかった波状攻撃でスロベニアDF陣を大慌てさせもした。
 
 スロベニアは68分にズラタンが入ったことで、攻撃面ではいくらか改善を施すことができたものの、ウクライナの最終ラインを完全に崩すには至らないまま、貴重な時間は過ぎていった。
 
 85分過ぎに連続して得たCKを決められずに迎えたアディショナルタイム、諦めずに波状攻撃を仕掛けたスロベニアだったが、クリアボールを最終ラインで拾ったカンプルが足を滑らせたところを、ウクライナのクラベツにボールを奪われ、独走の末にヤルモレンコのゴールを許し、夢は潰えた。
 
 両チームともに気合いが入りすぎるあまり、何度も小競り合いが起き、80分には観客席からも発煙筒が投げ込まれるなど、荒れ模様となった一戦の末に、ウクライナが初めて予選プレーオフを制し、フランス行きのチケットを手に入れた。
 
◇第1戦
ウクライナ 2-スロベニア
得点:ヤルモレンコ(22分)、セレズニョフ(54分)
 
◇第2戦
スロベニア 1-ウクライナ
得点:ス=チェサル(11分) ウ=ヤルモレンコ(90+7分)
 
☆合計スコア3-1でウクライナが2大会連続2度目の本大会進出
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