【番記者推奨!札幌のブレイク候補】熾烈な競争をもたらす馬場晴也、新天地から世界に向けて歩みを進める

2023年01月27日 斉藤宏則

パリ五輪世代で期待のDF

東京Vから札幌に新天地を求めた馬場。持ち前の攻撃力で活躍できるか。写真:斉藤宏則

 来るべき2023年シーズン、リーグを盛り上げるのはいったい誰か。新たなスターは生まれるのか、未来を切り拓くニューヒーローは出現するのか。番記者推奨のブレイク候補、今回は北海道コンサドーレ札幌のDF馬場晴也だ。

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"ミシャ"ことミハイロ・ペトロヴィッチ監督が就任しての6季目を迎える札幌。指揮官が標榜する攻撃的なスタイルで、今季も高い志を持って上位進出を目ざしていくなかで、オフには複数の実力者を迎え入れているが、本稿では東京Vから完全移籍で加入したDF馬場晴也に触れていきたい。2024年のパリ五輪出場を目ざす年代別代表チームの中心を担い得る選手だ。センターバック、ボランチが主戦場である。

 東京Vアカデミー仕込みの高い技術力を持つなど、馬場個人に目を向けても着眼点はいくつもあるが、札幌の最終ラインにこうした期待の有望株が加わったという観点でも非常に興味深い補強だ。

 昨季、さらには一昨季の開幕時を思い返しても、札幌の最終ラインは福森晃斗、宮澤裕樹、田中駿汰のスリーバックが鉄板だった。そうしたなかで昨季は強度の高い守備をしながらも、あまりファウルをせずに相手をシャットアウトできる岡村大八が中盤戦から台頭した。
【布陣図】2023年シーズン J1全18クラブのポジション別最新序列
 そして、このオフには「攻撃参加が自分の一番の特長だと思っている。ミシャさんのサッカーにも合っていると自分では思っている」という馬場が加わり、今季の札幌のスリーバックは誰が定位置を掴むのかが読みにくい、より厳しい競争が促される好編成となった。馬場の加入による単純な戦力アップのみならず、既存戦力の成長にもつながっての戦力アップも見込まれる。

 昨季10位だった札幌が一桁順位、さらには上位進出を目ざしていくにあたり、予算規模を考えれば、J1での一定の実績があり、フリートランスファーでの獲得ができるセンターバックの補強に狙いを絞ることも選択肢にはあったはず。だが、最終的にはJ1でのプレー経験がなく、獲得コストとしてトレーニングコンペンセーション(育成費)も合算される21歳の馬場をチョイスした部分は、札幌のクラブとしてのオフェンシブなスタイルが色濃く出たと言っていいだろう。伸びシロの多さは、魅力の多さでもある。

 中学生時代から東京Vでプレーし続け「本当に大好きなクラブ」だっただけに、今回の札幌移籍には「色々悩んだ」と馬場。だが、「代表選手になる姿を見せることも恩返しになると思う」と考え直し、数多の期待を背負いながら、新天地から世界に向けて歩みを進めていく。

取材・文●斉藤宏則(フリーランス)

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