【日本代表】競争意識を濃く浸透させ、上を目指す。キャプテン長谷部が語るカンボジア戦の意義

2015年11月17日 増山直樹(サッカーダイジェスト)

ピッチ上で監督の狙いを体現して周囲に伝え続けている男は、状況を端的に捉える。

若手の台頭を歓迎する長谷部。「凄くポジティブな競争ができている」とチームへの手応えを語った。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 前日練習のウォーミングアップでも、長谷部はこれまでと同様に先頭を走った。チームを牽引する姿勢は、微塵もブレない。そしてそれは、後ろに続く若手に対して背中で語っているようでもあった。しっかり前を見て、早く追い付いて来いと――。
 
 金崎のゴールで幕を開けたシンガポール戦は、チーム内の競争を活性化する引き金になった。カンボジアに入っても、その熱は冷めていない。選手はみな意識を高めつつ、自らの仕事に邁進している。
 
 そのなかで長谷部は、「こういう予選を戦いながら若手の成長を促していくのは必要なこと」と切り出し、キャプテンらしい見解を示した。
 
「(アジア2次予選)初戦のシンガポール戦で引き分けてしまったのが大きいかもしれないけど、なかなかこれまで(新戦力を)試す機会がなかったので。こうして結果を残していけば、いろいろな選手が試されると思う。プレッシャーがあるなかで成長していくのが一番良い。今のチームは、凄くポジティブな競争ができていると思います」
 
 ピッチ上で監督の狙いを体現して周囲に伝え続けている男は、状況を端的に捉える。強くなるためには競争が必要。そしてカンボジア戦は、この良い流れを塞き止めないうえで重要な一戦になると説いた。
 
 同時に、年内最後の代表戦には強い意気込みを持って臨んでいる。「相手がどういうやり方をしてくるかは大事ですし、いろんな部分で難しい。ただボールやグラウンドの問題はあるかもしれないけど、関係なくしっかり圧倒できなければこれから上に行った時は難しくなる」と展望を語った。
 
 植え付けられた競争意識をチーム内により濃く浸透させ、上との戦いを見据える。その姿勢をチームメイトと共有できれば、「(カンボジア戦は)内容も結果も良いものになればいい。それとともに、来シーズンに向けてチームに新たな競争が生まれるようにしっかりやっていきたい」というキャプテンの願いは、成就するはずだ。
 
取材・文●増山直樹(サッカーダイジェスト編集部)
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