【福岡|ポジション別最新序列】開幕ギリギリまで続きそうな正守護神争い。新戦力“FC東京のメッシ”でクルークスの穴は埋まる

2023年01月16日 中倉一志

右SBは湯澤と前嶋が熾烈な争い

福岡のポジション別最新序列。(C)SOCCER DIGEST

 来るべき新シーズンに向けて、戦力補強やキャンプインなど、各クラブが着々と準備を進めている。いかなる陣容で新たな戦いに臨むか。本稿では、アビスパ福岡のポジション別最新序列をお届けする。

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【GK】
 杉山力裕の引退に伴い、坂田大樹が加わって4人体制を維持するGK陣は多彩な顔ぶれが揃う。

 J3からコツコツと積み上げて正GKとしての地位を確立した村上昌謙、シュートストップの反応の良さとキックに持ち味を発揮する永石拓海。加入7年目を迎えブレイクを目ざす山ノ井拓己。そして福島県1部リーグからJ1の舞台にたどり着いた坂田。いずれも実力は伯仲している。

 そのなかでレギュラー争いをリードするのは、昨シーズン27試合でゴールを守った村上。また永石もリーグ戦の出場は8試合にとどまったが、実力の高さはルヴァンカップで実証済み。開幕ギリギリまで2人のポジション争いは続きそうだ。

【DF】
 昨年のメンバーが残るCBは宮大樹、奈良竜樹、ドウグラス・グローリが中心。いずれも対人の強さに特長を持ち、福岡の堅守を支えてきた。コンディションを優先させながら3人で回すのは昨シーズンと変わりはない。

 そのなかで、昨シーズンに技術、フィジカル、メンタル、いずれの面でも成長を感じさせた宮が、最終ラインの軸としてDF陣をけん引することになりそうだ。

 右SBは実力伯仲。昨シーズン終盤に活躍した湯澤聖人がポジション争いで一歩リードするが、不完全燃焼に終わった前嶋洋太も巻き返しを図る。

 不安要素があるのは亀川諒史1人しかいない左SB。湯澤、前嶋の左での起用も考えられるが人員不足は否定できない。今後の補強が待たれる。
 
【MF】
 実力、経験ともに前寛之、中村駿のダブルボランチは不動。2021年の夏に移籍してきた中村は昨年はコンディション不良で長期離脱しており、1年を通して前とコンビを組むとしたら、今年が初めてとなる。本来の特長である攻撃面を発揮することでチームにどんな変化をもたらすのかが期待されている。

 ただし両サイドには問題を抱える。ジョルディ・クルークスが抜けた右サイドハーフは"FC東京のメッシ"と呼ばれた紺野和也の獲得で十分に埋まったと言えるが、紺野以外には金森健志、田中達也しかおらず人材が不足している。

 昨シーズンに結果を残せなかった金森、田中の奮起に期待するも、攻撃力アップのためには2列目の活性化は必要不可欠で、左サイドバック同様に補強の最重要ポイントと言える。

【FW】
 FWの軸となるのは山岸祐也とルキアンと見る。1年ごとに成長を積み重ねて昨シーズンに10得点を記録したばかりか、周りも使える山岸の存在は不可欠。3得点に終わったルキアンも、長谷部茂利監督が口にする「ラストサードに入る前の数値を高める」ことができれば、十分にJ1で通用する力を持っている。

 圧倒的なシュート力を持つジョン・マリは、チームの守備戦術に対する理解度が課題とされているが、今シーズンは初めて始動日からチームに合流。キャンプを通して戦術理解度が深まれば、過去のシーズンとは違った面も見せてくれそうだ。

 また、ハードワークの佐藤凌我と、ゴール嗅覚に優れる鶴野怜樹の2人の新加入組も攻撃にアクセントをつけてくれそうだ。

文●中倉一志(フリーライター)

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